第7話 今日は厄日だ
「これで終わりだな」
そう呟く俺の目の前には腹を押さえて倒れる軟派男×2
幼少期から伊達に舞の猛攻に耐えてるわけじゃねぇっての。
正直そこら辺の不良なら俺は負ける気はしない。
「どうも、ありがとうございました!
私、北川 沙希って言います、本当に助かりました」
これって何か変なフラグ立ててないか?
「別に気にしなくていいよ。
俺は神谷 功、北川さん、何組?」
「1組です、神谷君同じクラス……」
なにぃ? こんなかわいい子覚えていないぞ。
黒髪のロングをしているかわいい子……ダメだ。
俺の検索にはHITしない。
「そっか……一緒のクラスか。
ごめん、全然覚えてないや」
「神谷君、いつも寝てるもんね」
この子結構、直球勝負だな。
「なんで知ってるの?」
「そっそれは……その……」
そんな目線を逸らさなくても……
もしかして、俺避けられてる!?
初めて話す女子に避けられるって……
「こら! お前たち何してるんだ!」
やば! 先生来ちまった!
山中ぁぁぁあ! 笑ってないで助けろぉぉぉお!
「くそ、今日は厄日だ」
現在夜の10時、約3時間の説教を受けて俺は釈放された。
北川は30分で釈放だったんだが……。
「ごめんね、私のせいで」
どうやら、俺が取調室(という名の説教部屋)から出てくるまで待ってくれてたようだ。
「気にすんなって、山中が全部悪いんだから」
そう、あいつが全ての原因だ。
今度あったらぶっ飛ばしてやる。
「じゃあ、私はこれで。
おやすみなさい」
「ああ、お休み」
俺もさっさと部屋に帰って寝るか。
今日は疲れた。
Side 北川 沙希
私が部屋に戻ると同室の斉藤さんが話しかけてきた。
この子……確か神谷君といつも一緒にいるけど、どうゆう関係なんだろ?
「北川さん、大丈夫? 変な男たちに絡まれたんでしょ?」
「大丈夫だよ、神谷君が助けてくれたし」
「へ? 功が?」
「うん、男2人倒しちゃった。
ねぇ、前から聞こうと思ってたんだけど。
斉藤さんって神谷君と付き合ってるの?」
「あっあたし?
ないない、ただの幼馴染ってだけ」
顔を赤くして否定……まさかとは思うけど。
「神谷君のこと好きなんだ?」
「いっいきなり何言ってるの!?」
これは図星っぽい。
斉藤さん男子から人気あるのは知ってたけど神谷君が意中の相手だったとは。
「なるほどねぇ……
ねぇ、神谷君について色々教えてくれない?」
「いいけど、功のこと知っても面白くないと思うよ?」
「いいの、興味があるだけだから」
そう、興味があるの。
だって、私は彼のことを恨んでいるんだから……




