第5話 俺。食べ物じゃないぞ?
Side 斉藤 愛
始めまして斉藤家の次女、愛です。
今、こうにぃと2人でゲームしてます。
まいねぇは今、後片付けで忙しいから、2人っきりです。
あぁ、この時間がずっと続けばいいのに。
「ねぇ、こうにぃ。
彼女できた?」
「出来てないよ」
よかったぁ、こうにぃモテるからなぁ。
実際あたしの同級生にも紹介して欲しいという子はけっこう居た。
全部断ったけど。
「まいねぇと進展は?」
「なんのだよ?」
こうゆう時こうにぃが鈍くて助かる。
でも、あたしの気持ちにも気づいてくれない……それどころかずっと妹扱いで女としてみてくれない。
こうなったら、中3には少し早いけど……
「ねぇ、こうにぃ。
今、2人っきりだよね」
「それがどうした?」
「これから、こうにぃのこと食べちゃおうと思って」
まいねぇごめん!
妹のわたくし、こうにぃ押し倒します!
「……俺。
食べ物じゃないぞ?」
そうだ、こうにぃってちょっと天然だったんだ……
「ちっちがうよ!
そうゆう意味じゃなくて!」
「じゃあどうゆう意味だ?」
こうにぃひどい……
Side out
「じゃあ、どうゆう意味だ?」
急に意味不明なこと言い始めるし。
急に顔を赤くしてモジモジし始めてどうしたんだ?
「そっそれは、その……」
「その?」
「こうゆうこと!!」
うわ! 行き成り抱きつくな!
「えーっと、愛。
どいてくれるかな?」
「やだ」
やだって、この構図はどう見たって俺がお前に押し倒されてるだろ!
やばいってこんな状況舞にでも見られたら俺の命が!!
「お前、ホントに急にどうしたんだ?」
「ねぇ、こうにぃはどうしたらあたしの事、1人の女としてみてくれる?」
「はい?」
思わず声が裏返っちまった。
て、言うか愛、お前が乗ってるのは俺の息子の……
「こうにぃ、気づいてるんでしょ?
あたし……こうにぃのこと……「お二人さん何をしてるのかな?」え!?」
やべぇ、終わった……
「まったく! あんたはあんな本を隠し持っといてあげく!
幼馴染の妹! しかも中学生に手をだすつもりだったの!?」
俺は今、舞に説教くらってます。
愛は自宅へと強制送還。
「ちっ違う! そこまで飢えてねぇよ!
あれは愛が押し倒したって言ってんだろ!」
そして、俺はさっきから、弁解をしているんだが聞く耳を持ってくれない。
このままじゃ俺の身があぶない。
でも、さっきのあれは結構惜しいシーンだった。
「何考えてんの!」
「ぐふ!」
相変わらず、素晴らしいパンチだ。
見事に俺のボディを捕らえたぜ。
今は悶絶してるがこのまま引き下がる俺様じゃないぜ
「少しは反省しなさい!」
まずは深呼吸だ。
ス~ハ~ス~ハ~、よしこれで話せるぞ
「まぁ、待て。
反省するよりも俺はお前にやってもらわなきゃならんことがある」
「なっなによ?」
お前が動揺するパターンなんてこっちは把握済みなんだぜ!
「男としてはさっきの状況はなかなか惜しいものだった。
そこでだ……」
「そこで?」
許せ、舞!
お前を押し倒すのはあくまで理性ある行動だ!
断じて本能に任せた行動ではない!
「ちょちょっと、どいて!」
「やだよ、お前にさっきの続きやってもらうから」
「じょ冗談よね?」
それいけ!
もう一押し!
「マジだよ。
愛も帰ったし今、この家には俺とお前2人っきりだろ」
「でっでも、あっあたし。
こうゆうの初めてだから……」
そんなに顔を赤くして言わなくてもいいのに。
もう少しいじめてみたいが俺の理性も結構やばいんでこの辺で。
「冗談に決まってんだろ」
「へ?
……そう、そうゆうことね、何か言い残すことはある?」
この後、俺は顔を耳まで赤くする舞に木っ端微塵に粉砕された。