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夏空  作者:
第1章
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第4話 こうにぃ!


 山中の勧誘から解放され2週間がたった。

 これは噂だが山中はもうレギュラーで試合に出てるらしい。

 まぁ、そこら辺の高校生とは格が違うからな。


「俺は宿題でもこなすかな」


 ん? これは誰の靴だ?

 学校から帰り玄関を開けて俺の目に飛び込んできた見慣れない靴。


 どろぼう? でも、男の物にしては小さいし第一きちんと並べ過ぎだ。

 人の家を泥棒しようと言うのにまるで危機感がない。

 この家はなめられてるのか?


「ったく。誰だ……」


「あっ。

こうにぃ!!」


 何故、お前がここに居る!?

 それに人の家のリビングでくつろぎすぎだ!!


「こうにぃ! 

会いたかったよぉ~!!」


「おいこら!

抱きつくな! 離れろ!」


 キレイに並べられていた靴の持ち主は斉藤 愛。

 舞の1つ年下の妹。


 ショートカットの髪をしていて舞と同様キレイな顔をしているが妹とあって少し幼い顔をしている。

 ソフトボールをしていて、最近部活も忙しく顔を見たのは久しぶりだった。


「久しぶりなんだし、いいじゃん!」


「いいから、離れろ」


「愛。功から離れなさい」


 なんだ、舞も居たのか。

 靴は無かったと言うことはまた、ほぼ舞の部屋に隣接している。

 俺の部屋から入って来たのか。


「やだ! まいねぇ何時でもこうにぃの部屋に出入り出来るじゃん。

だから、今は愛が甘える!」


 むちゃくちゃだ。

 誰か助けてー

 年下に手を出すつもりはまだ無いよー


「功が困ってるでしょ」


 お前の勝手な出入りにも困ってんだよ。

 玄関から入れ玄関から!


「まいねぇ、いつも理由こじつけてこうにぃと2人と一緒にご飯食べてるくせに」


「な!? あたしが作ったんだからそこで食べるのは当然でしょ!」


 何が当然なんだ?

 作ってくれるのはありがたいが……


「ずるい! 愛もこうにぃと一緒にご飯食べる!」


 お前も何を言っているんだ?


「あんたねぇ! ちょっと来なさい!」


「こうにぃ!

まいねぇがいじめる~」


 俺を巻き込むな!

 お前らの姉妹喧嘩に巻き込まれたら俺の身がもたん!


「まっまぁ、舞、落ち着けって。

愛が怯えてるぜ」


「功……あんたならどうすればいいかわかるわよね?」


 指を鳴らすな!

 仕方ない何より自分の命が一番大事だからな。


「許せ、愛」


「やだやだ!

まいねぇ、最近容赦ないもん!!

こうにぃ、一緒にご飯食べてもいいでしょ!!?」


 うっ、そんな上目遣いで見られると……


「まっまぁ、いいじゃんねぇか?

人数多いほうがにぎやかでよ」


「やったー!

こうにぃがOKしてるからまいねぇも文句ないよね?」


「っち。

勝手にしなさい」


 こえー

 今、舌打ちしてましたよ?

 これに動じない妹とは……なかなか愛も頼もしく育ったな。

 兄ちゃん嬉しいぞ!!

 ……ホント俺は何言ってんだろうか。


「こうにぃ。

よろしくね!」


 だから、抱きつくな。



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