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−Death World−  作者: Takuya
1/1

序章 「最初の戦闘」

映画「アイ・アム・レジェンド」をベースに執筆しました。



しかし駄作の感が強く、読んでがっかりしたなという方もいらっしゃるかもしれません。



そんな作品でも拝見して頂けたら幸いです。



2015.1/15 PM9:30 米国 ワシントンDC



街はまるで眠っているかのように深い闇に包まれている。





知っての通りここは米国の首都、ワシントン・コロンビア特別区。



しかし首都とは言っても日本の東京のように都会的ではなく、高層ビルのようなものは見当たらない。



ただひとつ、リンカーンメモリアルの前に灯りもつけず高々とそびえ立つワシントンモニュメントが不気味な雰囲気を漂わせている。



いつもならこの時間帯でも車のヘッドライトが行き来し、建物の灯りが眩しいこの街であるが今は嘘のように暗い。



時折この季節らしい冷たい風が吹く。



しかし少なくともそれを平静と感じられる人間はいなかった。



ホワイトハウス、国会議事堂、スミソニアン博物館……、すべてが静かで暗い。




すると突然、その静けさと闇を切り裂くように銃声と砲撃音が鳴り響く。



そして空からはジェットエンジンの轟音。



夜の街に輝く無数の光……、…遂に戦闘の幕が上がった。







「Target at 12 o'clock. open fire!(目標、12時方向、射撃を開始せよ)」



米国海兵隊、マックス・フィルナー少佐が無線で部下達に命じた刹那、M1戦車やLAV25を始めとする各種装甲車、そして米兵のM4、M16ライフルが火を噴いた。



そして上空からは海、空軍の戦闘機、陸軍、海兵隊所属の攻撃ヘリの支援爆撃が開始され、その爆発音が闇の街に深々と響き渡る。




彼らの部隊の攻撃目標はホワイトハウス。




つい数ヶ月前までは大統領などの政府関係者の公務場所であったところだったが、今やそれは「彼ら」の溜まり場というところに過ぎなかった。



むろん、これはホワイトハウスに限ったことではない。



ワシントンDCはもちろんのこと、ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ロサンゼルスなどの主要都市は「彼ら」によって壊滅状態に追い込まれ、またそれは世界中に飛び火し、もはや世界各国の秩序は無くなりつつあった。



またこの事態の発信元である米国では国民の1/3が「彼ら」によって死亡、または同化してしまった。



米国大統領はこの事態に対し、世界各国の首脳を集め緊急会議を開いた。



そしてそのの結果、各国一致の決断をした。



それは 「彼ら」に対する武力による制圧。




各国の軍が残存兵力を結集させ「彼ら」に対して一斉攻撃を行う。




そして今日がその作戦当日であった。









「第2、第4小隊は9時方向、それ以外の小隊は12時方向を掃射しろ」



「戦車の125mm砲の照準を西側の広場に合わせろ、相当の数がいるぞ」



「空軍に支援爆撃を要請、ホワイトハウスにありったけの弾薬をぶち込めと伝えろ」




「彼ら」に対しての砲撃、銃撃が続けられる中、フィルナー少佐が次々と部下に命じる。



しかし無線に入る彼らの声は悲痛そのものだった。




「こいつら速い! 照準が合わせられない!」



「ネガティヴネガティヴ!」



「奴らが装甲車内に侵入! 撃て…ぐっ!!」



「第5小隊との連絡途絶、第2小隊の損害甚大、生存者なし!」



相次いで入る部下の悲鳴ともつかない声にフィルナー少佐は下唇を噛んだ。




「何てザマだ…」



少佐がポツリと呟く。




「彼ら」のことは作戦前のブリーフィングでわかっていた、わかっていたつもりだった。



攻撃目標の特徴、身体能力、行動。



そして何故彼らがそのような体になってしまったのかも。



とはいえ、彼らの元は生身の人間。



こちらには戦車、装甲車、多連装ロケット砲などの重装備に加え、米兵全員にはライフルと拳銃、一部の兵には対戦車ロケット弾を装備させている。



フィルナーは訓練通りに行動し作戦を遂行すれば容易に殲滅出来ると確信していた。




しかしその確信もこの戦闘で今や過去のものになってしまっていた。



読みが甘すぎた…、フィルナーは悔やんだ。



「彼ら」は銃撃や砲撃を受けながらも群がって米兵に襲いかかる。



その身体能力、行動はフィルナーの想像をはるかに越えていた。



「彼ら」はもはや死兵そのものと言える。



そして襲われ、倒れた兵士はしばらくした後に再び立ち上がったが、それは倒れる前の彼らではなかった。



味方であるはずの他の米兵に発砲し始めたのだ。




「ファルージャ軍曹!発砲するな、射撃中止…ぐはっ!」



「味方に攻撃を受けている! 指示を!」



「対戦車ロケット弾、M1戦車に着弾、炎上! 生存者なし!」




もはや彼の部隊は統率を失いつつあった。



「畜生ッ! どうなってんだ!」



M3ブラッドレー戦闘車内で指揮をしていたフィルナーは叫んだ。



何故彼らは弾を受けても倒れない? 何故彼らは…



いくつもの疑問がフィルナーの頭の中をよぎる。



そして部下に命令しようとした直後、無線が入った、それは作戦本部からであった。




「作戦本部より各隊へ、現在作戦中の部隊の残存数が30%を割った。ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス その他各都市で作戦行動中の各隊は10分以内に作戦行動を終了し撤退せよ。 10分後 B2爆撃機のトマホークミサイルでの爆撃が開始される。爆撃前に現在作戦中のエリアから離脱せよ。繰り返す…」遅ぇんだよ…、フィルナーが呟く。



そして無線機を手にとり部下に命じようとした瞬間。



フィルナーの体が宙を舞った。



それが対戦車ロケット弾の着弾によるものだということを理解するまでにはしばらく時間がかかった。




「くそ、脱出だ…。」



弾頭が当たった箇所がわずかに逸れていたため、幸運にもフィルナーは掠り傷で済んだ。



しかし他のブラッドレーの乗員は動く気配を見せない、恐らく死んでいるのだろう。



そしてフィルナーがドアをこじ開け車外に出て最初に見た光景は想像を絶するものだった。



砲撃によって原型をとどめていない建物、炎上して使い物にならなくなった戦車、装甲車、ポッキリ折れて無残な姿を晒したワシントンモニュメント、無数の銃声、マズルフラッシュ、悲鳴…。




そして彼の足元に横たわる無数の死体…。




それらはどれも腹部に大きな穴を開けられ、目から血を流し、ピクリとも動く様子を見せない。




その光景はまるでこの世の地獄を見ているかのようであった。




フィルナーがその光景に唖然としていた時、後ろで乾いた銃声が響く。




フィルナーの体は後ろを向く前に芝生に叩きつけられた。




腹に感じる痛みをこらえ、銃声がした方向に顔を向けたフィルナーの顔は絶望そのものだった。






人がいる。



いや人ではない。




皮膚の色は黒くなり、髪の毛はそげ落ち、牙をはやすその顔は……憎悪の表情以外の何ものでもなかった。


「メディカル・ピース計画」という名で行われた医療行為…、



いや、このような世界になる元凶を作った生体実験のなりの果てが目の前にいる。



それはもはや殺しの機械と言っても過言ではなかった。



フィルナーは腰からベレッタM9を引き抜いた。



しかし彼がそれを発砲することはなかった。




フィルナーが発砲する前に目の前にいる「彼」が構えていたM16ライフルが火を噴き、彼の意識を奪ったからであった。



フィルナーの意識が遠のく。



そんな彼の頭に走馬灯のごとく今までの記憶がフラッシュバックしてきた。



海兵隊への入隊、結婚、そして今はなき妻と子供の笑顔…。



「待ってろ……、もうすぐ行くから…」



フィルナーがそう言った瞬間、街が眩しいほどの光に包まれた。




それはフィルナー自身がこの世で見た最後の光景であることを彼は知る由もなかった…。

いかがでしたか?



やはりがっかりしましたか?



こんな駄作ですが、続きも少しずつ執筆していこうかと思います。



応援して頂けたら嬉しいです。

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