青の温度
掲載日:2026/06/19
「青はね、万能な色なんだよ。」
そうだ、彼が言っていたんだ。
窓を開け静寂の色で満たされた部屋の中で、彼女は思い出した。
この夜の色は、世界中のすべての人の灯りが混ざっているんだ。だから悲しくも見えて暖かくも見えるんだ。
あぁ、彼が言っていた意味がようやくわかった気がする。真意はわからないし、確かめる方法もないけれど。
この色は、生まれる前の世界に、眠りに落ちた後の瞼の裏に、ふと思い出す昔の思い出に、似ている。
そう思いながら、彼女は眠りに落ちた。変わらず深く包み込まれるような青色を感じながら。




