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【書籍化】生産スキルで内政無双~辺境からモノづくりで幸せをお届けします~  作者: スタジオぞうさん


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第96話 今後のこと

 昨日は久しぶりにゆっくりしたなあ。

 特にカードゲームは楽しかった。

 仲間の知らない一面も知ることができたし。


 元の世界で好きだったトランプの貧民やナポレオンもみんなと一緒に遊びたい。暇ができたら元の世界のトランプを作ろうかな。

 そんなことを思いながら朝食の席についた。


「あら、今日はウィルちゃんも一緒ね。久しぶりに家族が揃って嬉しいわ」

「はい、母上。ひとまず未開地の案件も片が付きました」


「ウィル、昨日はゆっくり休めたかい?」

「おかげさまで、のんびりしました」


「昨日はお兄様たちと久しぶりにカードゲームをして嬉しかったです」

「あら、それは良かったわね」

 家族とゆっくり朝食をとるのも久しぶりだ。


 食事が終わる頃、父上に話を切り出した。

「父上、ひと休みしたので、この後で執務室に伺います」


「そうかい? まだ休んでいてほしい気もするんだが。まあ、そろそろ話しておいたほうがいいかな」

 父上が陛下とどんな話をしたのか、気にならないと言えば嘘になる。


 執務室を訪ねると、父上は最初に(ねぎら)ってくれた。

「改めて未開地の探索、ご苦労だったね」

「ありがとうございます。地脈のクロスポイントを発見できたのでほっとしています」


「そうだね。世界樹が重要な役割を担っている以上、世界樹を移すための未開地の探索は王国、いや人類全体にとって重要なミッションだった」


「エルフたちはもちろん頑張ってくれましたが、ジェームスをはじめ休暇を取って同行してくれた騎士たちは本当によくやってくれました。探索隊が戻ったら、彼らを褒めてあげてください」


「そうだね。彼らの功績には報いることにしよう。形の上では休暇といっても実際には重要な任務だったからね」


「さて、それじゃあ陛下としてきた話を伝えるよ」

 紅茶を一口飲むと、父上は話し始めた。


「まず、ウィルが救世主であることをお伝えしたら、陛下は予想が当たったと嬉しそうになさったよ」


「それからエルフの古老殿から聞いたことをお話しして、このところの気候の不順は世界樹が弱体化したために起きたこと、世界樹を護ってきたエルフの一族は世界樹の若木を抱えて我が領地に逃げてきたことをご説明した」


「陛下はご理解くださったのですか?」

「うん、世界樹を復活させることが重要だとすぐに理解して頂いたよ」

 僕はほっと息をついた。


 世界樹の話はあまり知られていないから、すぐに信じてもらえるかどうか少し心配だったんだ。

 こんな話を信じてもらえるなんて、きっと父上は陛下に信頼されている。


「地脈のクロスポイントのことをご説明したら、それではクロスポイントを探す必要があると陛下はおっしゃった」

 そんなふうに思ってもらえるのはありがたい。


「もうエルフたちと騎士団の有志たちが探索に行っていることと、ウィルが転移魔法で日中は同行していることをお伝えすると、転移魔法には驚いておられたよ」


「自分でも凄い魔法だとは思います」

「そうだね、何しろ伝説の魔法だからね」


「それから、未開地に世界樹を移したら魔物に狙われるだろうから、ウィルがエルフたちを助けるために南の未開地を領地として希望していることもお伝えしたよ」


 陛下は認めてくださるだろうか。

 誰も欲しがらない土地だから大丈夫だと思うけれど。


「陛下は、もっと条件の良い領地を望むことができるのに救世主としての役割を果たそうとしていると感心してくださったよ。私がウィルを支援するつもりだと申し上げたら、王国としても支援すると言ってくださった」


 これで南の未開地を領有することは認めてもらえた。

 きっと古老さんとルーナも安心するだろう。


「領有を認めて頂き、安心しました。さらに支援して頂けるとは、何もないところからスタートする領地ですから、ありがたいです」


「ただ、痩せた土地だと聞いていましたが、草原を抜けると肥沃な土地でした。大河や湖もありましたから、灌漑は比較的簡単かと思われました」


「そうか、それは良かった。物資や資金面は陛下や私が支援するし、きっとオリヴァーも手腕を発揮してくれるだろう」

 確かに、オリヴァーはきっと手腕を発揮してくれるだろう。


「領地を得るには原則として18歳になって爵位を得ないといけない。けれど世界樹はそれより早く移したほうが良いだろうから、何か手は無いか陛下が考えてくださるとおっしゃっていたよ」


「そんなことまでお考え頂けるとは」

「陛下は本気でウィルを支援しようと思ってくださっている。ありがたいことだね」


「ただ、未開地を開発するうえで、一番大変なのは人手の問題だろうね」

「そうですね。エルフをはじめ、工房のスタッフやドワーフも何人かは来てくれると思います。ですが、何しろ住人がいない土地です」


「そうだね。うちの領内でも移住者を募集しようと思うけれど、どれくらい希望者がいるかは募集して見ないと分からない。ああ、オフィーリアとギルバートはもちろんのこととして、騎士の何人かはウィルに付けるつもりだよ」


「本当ですか? それは心強いです」

 オフィーリアとギルバートは信頼できる護衛だし、エルフたちや工房のスタッフとも顔がつながっている。


 フェアチャイルド家騎士団は精鋭揃いだから、他の騎士たちも頼りになる。

 父上が人材面でも支援してくれることはとてもありがたい。



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