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【書籍化】生産スキルで内政無双~辺境からモノづくりで幸せをお届けします~  作者: スタジオぞうさん


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第80話 三人の夏至祭

※途中からフローラ殿下の視点です。


 夏至祭の当日になった。

 昨年も人で一杯だったノーザンフォードの大広場がさらに人で溢れている。


「皆、よく集まってくれた。今年はフローラ王女殿下がお出でくださっている」


 父上の言葉に大広場に集まった群衆から大きな歓声が上がる。

 やはり王女殿下を一目見ようと集まった人も多いみたいだ。


 そしてフローラ殿下が広場の演台に上がる。

「さすが王国一と名高い美少女だ」

「何とお綺麗なのだ」


「ありがたや」

「人形姫と噂されていたけど、生き生きとした表情をされているわ」

 周囲からいろんな声が聞こえる。


 以前は人形みたいだと言われていたらしいけれど、今の殿下は明るくて表情も豊かだ。

 王女殿下のスピーチが始まった。


「今日こうして皆さんと共に小麦の収穫を祝うことができ、嬉しく思います」

「小麦は私たちの命をつないでくれる大切な主食ですが、旱魃のために凶作となっていました」


「しかし、その凶作を乗り越えることができました。それはフェアチャイルド辺境伯家のウィリアムさんの作った乾燥に強い小麦のおかげです」


「父である国王エドガー二世はその功績を高く評価しています」

 いや、みんなの前で褒められると照れくさい。


「さらに王家からの要請に応じてフェアチャイルド辺境伯が乾燥に強い新しい麦を多く供出してくれました」


「そのおかげで、旱魃が続いたにも関わらず、多くの土地で豊かな実りを得ることができました。そのことに王家として感謝の意を表します」


 父上が王家から褒められたことで群衆が盛り上がった。

 善政を敷いているから父上は人気がある。息子として誇らしい。


「私はこの地を訪れて、道路が石畳で舗装されていること、市場には多くの商品が溢れていること、工房で先進的なものが創り出されていることを知りました」


「昨日作られた風車は一見の価値があると思いますわ。皆さんも是非見に行ってくださいね」


「フェアチャイルド辺境伯領は素晴らしい土地です。今後の一層の発展を王家としても願っています」

 大広場は大歓声で包まれた。


 みんながフローラ殿下に注目していた。

 場違いな感想なんだろうけど、元の世界の人気俳優かアイドルみたいだな。


 ちなみに王女殿下はオリヴァーの渡したウィローズの服や鞄を持ってスピーチをしてくれていた。


 何だか申し訳ない気もするけれど、「これで売り上げ倍増です! それに風車のある丘は観光地になりますよ!」とオリヴァーは盛り上がっている。


 そうか、殿下のおかげで風車の丘は観光地になるかもしれないのか。

 観光地が欲しいといっていた父上も喜んでくれそうだ。

 

 その後で夏至祭のいつもの行事が始まった。

 白い装束に身を包み、母上が今年の初穂を持って女神に捧げる。


 いつもと違うのは、その両隣にフローラ殿下とレティがいることだ。

 母上が二人に声をかけたらしい。


 三人が並んで現れると、大広場に集まった群衆はさらに割れんばかりの大歓声を上げた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 夏至祭も終わり、ノーザンフォードを去る日が来ました。

 短い間でしたが、いろいろなことがあり、感慨深く思います。


「フローラ王女殿下をお迎えすることができ、また夏至祭では過分なお言葉を頂戴し、感謝申し上げます」


「私の訪問を温かく迎えて頂き、感謝します。辺境伯家に感謝の言葉を述べるのは王家として当然のことと考えております。」


 さて、公式なやり取りはここまでですね。

 見送ってくださる方たち一人一人と話します。


「メアリーさん、どうもお世話になりました」

「殿下、是非またお越しくださいね」


「ソフィアさんもお元気で」

「殿下といろいろとお話しすることができて嬉しかったです」


「スカーレットさん、いろいろとありがとうました」

「殿下、寂しくなります」

「きっとまた会いましょう」


 私たちはハグをしました。王都では友人と呼べる存在のいなかった私にとって、スカーレットさんと仲良くなれたのは嬉しいことでした。


 そしてウィリアムさんと向き合います。

 いろいろな感情が込み上げてきます。


「ウィリアムさん、街や工房を案内してくれて感謝します。とても楽しい時間でしたわ」

「王女殿下が訪問してくださって感謝します」


 むう、そういう形式的な言葉は嬉しくありません。

「今度はあなたが王都を訪ねてくださいね」

 つい予定にない言葉を口走ってしまいました。


 ウィリアムさんはあたふたして、周囲は苦笑します。

「皆さん、ありがとう」


 馬車から手を振ると、みんなが手を振ってくれました。

 本当に仲の良い暖かい雰囲気の人たちでした。

 是非またノーザンフォードに来たいと思います。



 明けましておめでとうございます。

 

 剣と魔法の世界に生産者として転生してしまったウィルは、功績を王家に認められて、これからさらに活躍していきます。


 だいぶ話数も増えてきましたので、章立てをすることにします。

 このあと閑話を一つ入れた後に新章に入ります。


 昨年11月に出した書籍版は、モノ作りの場面やキャラクターのサイドストーリーなど大幅に加筆しています。

 続巻を出せるよう、書籍版もお読み頂ければ幸いです。


 今年も「生産スキルで内政無双」をよろしくお願いいたします。


                       スタジオぞうさん



 挿絵(By みてみん)


カドカワBOOKS公式サイト

https://kadokawabooks.jp/product/seisanskill/322507000810.html




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