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【書籍化】生産スキルで内政無双~辺境からモノづくりで幸せをお届けします~  作者: スタジオぞうさん


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第48話 レバント商会の支店長

 レバント商会のノーザンフォード支店が完成した。

 今日は支店長さんが工房に挨拶に来ると聞いている。


 どんな人が来るのかな?

 ちょっと楽しみだ。

 

「ウィリアム様、支店長さんが来られました」

「ありがとう」


 職人さんの一人が応対してくれる。工房を訪ねて来る人も増えたから、そろそろ事務スタッフも雇わないといけないな。


 現れたのは僕の知っている人物だった。

「こんにちは、ウィリアム様。この度レバント商会のノーザンフォード支店長に就任いたしましたオリヴァー・レバントです」


「えっ、オリヴィア? いやオリヴァー?」

「あはは、名前は本名を名乗ることにしました。響きがあまり好きじゃなかったんですが、両親が考えて付けてくれた名前ですから。最近、母に叱られましたし」


「そうなんだ……ところで、君は本店でお父さんの補佐をしていたのでは?」

「そのとおりですが、父に頼んでノーザンフォード支店長にしてもらいました」


 オリヴァーは表情を真剣なものに改めた。

「実は私は結核に感染して死にかけていました。そこに父が頂いてきたウィリアム様の薬を注射してもらい、死なずに済みました」


「そうなんだ、薬が役に立って良かったよ」

 母上だけじゃなくオリヴァーの命も救えていたんだ。知り合いを助けることができたのは嬉しいことだ。


「はい、ウィリアム様は私の命の恩人です。そこで父と母と相談して、ウィリアム様にお仕えしたいと思ってノーザンフォードに参りました」


「いや、あの薬はドワーフたちの助けがあったから出来たものだし、テオのおかげで量を確保できたんだ。僕だけの功績じゃないよ」


「はは、相変わらず謙虚でいらっしゃる。周囲の助けもあったのでしょうが、ウィリアム様の知識とスキルがあればこそ開発された薬だと聞いています」


 オリヴァーは優しく微笑んだ。相変わらずドキッとしてしまうな。

 それにしても、どこから詳しい情報を仕入れるんだろう。商人は凄いな。


「仕えたいと言ってくれるのは嬉しいけど、オリヴァーさんはアレックス商会を継ぐんだよね」

「その予定だったんですが、商会を継がずにウィリアム様にお仕えすることを父も理解してくれました」


 ええっ? アレックスさんはオリヴァーの才能を高く評価していたのに。

「優秀なオリヴァーさんが手助けしてくれれば助かるけど、こんな辺境に来て本当にいいのかな?」


「ふふ、辺境とおっしゃいますが、ウィリアム様の活躍のおかげでノーザンフォードは今や先進地ですよ」


「そう言ってもらえるのは嬉しいよ。でも仕えると言ってくれても、今の僕は辺境伯家の次男にすぎない」

「まだ今は、ですよね」


 オリヴァーは悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「もしかして、僕が将来叙爵されることになったのを知ってるのかい?」


「ええ、商人は情報が命といってもいいですから。男爵位の叙爵が決まりましたこと、お祝い申し上げます」


「ありがとう。でも何というか、まだ子どもだから叙爵するのは成人したときだし、実感は何もないんだよ」


「そうですか。きっとウィリアム様ならもっと高い爵位を得られると思いますよ」

「いやいや、僕は辺境でのんびり物作りをしたいんだ」


「では、ウィリアム様がのんびり物作りをできるように、私は環境を整えるお役に立ちましょう」

 結局、オリヴァーに工房の運営を手伝ってもらうことになった。


 ちょうど事務スタッフが必要だと思っていたところだし。

 ノーザンフォード支店の仕事はあまり多くないし、優秀なスタッフもいるから兼任しても大丈夫ということらしい。


 オリヴァーを工房に案内して職人さんたちに紹介した。

「みんな、これから工房の運営を手伝ってくれる人を紹介するよ」


 職人たちは色めきたった。

「おお、すごい美少女だ」

「師匠の彼女ですかい?」


「彼氏はいるんですか?」

 みんな賑やかだな。でも真実はしょっぱいんだよ。


「この人は最近できたレバント商会のノーザンフォード支店の支店長でもあるんだ。名前はオリヴァー・レバントさん。レバント商会の代表のアレックスさんの息子さんだよ」


「えっ支店長?」

「オリヴァー?」

「息子?」


 うんうん、みんなが混乱するのも無理はない。

 オリヴァーの自己紹介を聞いている間も目が泳いでいる者がいるな。


「さて、私は工房の事務をサポートしたいと思いますが、会計はどなたが担当されているのでしょうか?」

 会計? そんな担当いたっけ?


「ええと、担当というわけではないのですが、帳簿は私が管理していて、大変なときはテオさんやスミスさんたちに手伝ってもらっています」


 なんと、読み書きと計算の得意なメイベルが会計をしてくれていた。

 まだ子どもだし、物作りの勉強に来ているはずなのに申し訳ない。


 テオも忙しいはずなのに、いつの間にそんな仕事をしていたんだろう。

 「うう、全然知らなかった。気付かないうちに仕事をさせていたなんて、僕は駄目な代表だ」


 「あはは、ウィリアム様は物作りの天才ですから。そのあたりは私の領分ですよ。テオさんもメイベル様も物作りが本業。会計などの事務は私が担当しましょう。」


 うん、よろしくお願いします。

 オリヴァーに来てもらえて良かった。


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