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【書籍化】生産スキルで内政無双~辺境からモノづくりで幸せをお届けします~  作者: スタジオぞうさん


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第27話 ドワーフと道路工事

 このところ、昼の暑さはやわらぎ、朝晩は少し涼しくなってきた。

 真夏の間は暑かったし、のんびり過ごしていたけれど、そろそろ新しいことをしようかな。

 あんまりのんびりしていると、また太っちゃうかもしれない。


 小麦の収穫期には多くの荷車がノーザンフォードにやって来た。そのとき、土埃の立つでこぼこの道を荷車が進むのは大変そうだった。


 荷車は馬やロバが牽くことが多いけれど、馬やロバを飼う余裕がないと人が牽くこともあるようだ。

 土埃に塗れて汗をかき、重労働をする人たちを見ていると、何かできないかなと思う。


 前世で土方はしたことが無いんじゃないかと思うけれど、低賃金でしんどい労働をする人たちは放っておけない気持ちになる。


 問題の一つは道路だ。

 アスファルトで舗装とはいかなくても、もう少し良い道路にできないかな。


 そういえば、ローマ帝国は石畳の道を整備していたんだった。

 この世界でも石畳の道なら作れるんじゃないかな。


 聞いてみると、王都の周辺には石畳の道が整備されているみたいだ。

 ただし、普通に人力で作ったら多くの人を集めて長い時間をかけないといけない。


 そこで生産スキルの出番だ。

 素材の石から石畳用の石材を作ってみると、割と簡単にできた。


 工房で作ってみてもらうと、テオはすぐに作ることができたし、程なく他の職人たちも作れるようになった。

 あとは石を敷くために土をならす必要がある。


 これも人力ですると大変だ。生産スキルで土をならすことは、少なくとも今のところはできない。

 でもフェアチャイルド領内には土魔法のスペシャリストがいる。

 そう、大地と共に生きるドワーフたちだ。


 ドワーフの皆さんに依頼すると、二つ返事で引き受けてくれた。

 世話になった御礼に無料で働くと言われたけれど、タダ働きをさせるなんてブラック企業のようなことは絶対にしたくない。

 ちゃんと報酬を払うことにした。


 石畳用の石を十分に作ったところで、ドワーフたちと一緒に道路工事をする場所に行く。

 今回はテオも一緒だ。実はテオと一緒にドワーフたちと会うのは初めてのことになる。


 これまで僕がドワーフの村に行くときに付いてこなかったのは、前の族長の息子であることを隠したかったからなのかな。


「おお、(ぼん)! 元気そうで何よりじゃ」

「少し背が伸びたかのう」

 ドワーフたちがテオを囲んでいる。みんなテオのことを気にかけていたんだな。


 まずは領都ノーザンフォードの大広場を出発点として、郊外の街道までを石畳の道にしよう。

 最初にでこぼこの道を平らにならす必要がある。


「おう、土をならすのは儂らに任せりゃええ」

 ドワーフたちが「ぬん!」と気合を入れると、みるみるうちにでこぼこだった土の道路が平らになっていく。


 その上に収納魔法で運んできた石畳を並べていった。

 うん、このやり方なら随分早く石畳の道路が整備できるね。


 僕らが作業をしていると、街の人たちが工事を見に来た。

「えっ、えっ、何これ? いつの間にか石畳の道が出来てる」

「信じられないよ。こんなに簡単に道が整備できるなんて」


 一日のうちに街道までの半分くらい石畳の道をひくことができた。

 よしよし、順調な滑り出しだ。


 翌日、作業を再開したら、街の人たちが来て声援を送ってくれた

「凄いです、ウィリアム様。頑張ってください!」

「ドワーフたちも凄いよ。頑張れ!」


 ドワーフたちは最初に驚き、次に笑顔になった。

「こんなに喜ばれると嬉しいもんじゃな」

「街のもんの期待に応えんとのう」


 そろそろお昼どきになると思ったら、街の人たちが食べ物や飲み物を差し入れてくれた。

 バスケットに入ったパンやソーセージをみんなで一緒に頂く。


 そして一緒にご飯を食べると会話も進む。

「ドワーフはみんな土魔法が使えるの?」

「おお、儂らは大地の種族じゃから、みな使えるぞ」


「そいつはすげえな 。みんな属性魔法が使えるなんて」

「いや、土魔法以外は使えないんじゃが」

「一つ使えれば十分さ。しかも力も強いんだからドワーフは凄いねえ」


「まあ、鍛冶をするには力がいるからのう」

 街の人に感心されて、ドワーフたちは照れているようだ。


「樹海から逃げて来たそうじゃないか。さぞかし苦労があったんだろうねえ。

 でもこんな立派な道路を作ってくれて、あたしらからしたら、ドワーフのみんながここに来てくれてありがたいよ」


 おばあさんがしみじみと言うと、ドワーフたちは嬉しそうな顔をした。

「樹海から逃げんといけんかったのは確かに辛いことじゃった。

 でもこの土地に受け入れてもろううて、役に立って感謝してもらえるのはありがたいことじゃ」


 お昼ご飯の後で、ドワーフたちは一層気合を入れて作業をしてくれた。

 おかげで、午後の早いうちには街道まで石畳の道が届いた。


「うん、順調すぎるくらいだよ。無理をせず、今日はここまでにしよう」

 ドワーフたちが魔力切れになったりしないよう、早めに切り上げることにした。

 働きすぎはいけない。


「明日からは街道を石畳の道にしていこう」

「「おお!」」

 みんな気合が入っている。


 それからは街道を石畳の道にしていった。

 毎日道路工事ばかりしているわけにもいかないから、数日おきに作業していく。


 工事の場所が街から遠くなると、今度は街道を通る商人や旅人たちが応援したり、差し入れをしてくれたりするようになった。

 商人から他国の珍しい酒をもらったときはドワーフたちは盛り上がっていたな。


 領内の道路を整備できれば、きっと領内経済の発展にも役立つだろう。

 ドワーフたちがうちに来てくれて感謝だ。





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