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【書籍化】生産スキルで内政無双~辺境からモノづくりで幸せをお届けします~  作者: スタジオぞうさん


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第101話 魔法石を作ろう

「さあ、ウィリアムさんも魔法石を作ってみましょう」

 エリカ先生に促されて、僕は魔法石づくりに取り組んだ。


 まず、『空っぽの石』を『魔力の器』に作り変えることからだ。

 先生から渡された『空っぽの石』を目の前に置いて集中する。


 この石が魔力の受け皿になることをイメージして生産スキルを発動する。

 温かい光が消えた後、現れたのは淡く光る石ではなくて、つや消しの白色の石だった。


 鑑定してみると、変わらず『空っぽの石』だった。

「あれ、うまくいきませんでした」


「あらあら、ウィリアムさんでも最初は失敗しましたか。このプロセスはなかなか難しいんです。私は何度も失敗しましたよ」

 もう一度やってみるが、やはり上手くいかない。


 たぶん魔力の受け皿というのを具体的にイメージできないからだと思う。

 その後何度かトライしたが、やはりうまく作れない。


 エリカ先生がアドバイスをくれた。

「おそらく人によってイメージの仕方は違うのでしょうけど、私はお菓子のパイ皮をイメージしているの。魔力を餡に見立てる感じね」


「なるほど、パイ皮ですか」

 お菓子のイメージなら得意だ。

 何しろ大好物だからね。


 先生に教えられたとおり、魔力をパイのように包むイメージをして生産スキルを発動した。

 すると、淡く光る石が現れた。


 鑑定してみると、『魔法石の器』ができていた!

「エリカ先生、作れました!」


「まあ、もうできたのですか。初日で『魔法石の器』を作ってしまうとは、さすがですね」

「いえいえ、先生の教え方が上手いおかげです」


 そこで夕方になったから、また次の日に教えてもらうことになった。

 王城で教えなければいけない決まりということだから、明日も王城の工房に伺うことになった。


 エリカ先生に挨拶をした後で王城の応接室に戻り、待っていてくれた父上と合流した。

 さすがに陛下のお姿はない。お忙しい方だからね。


「どうだったかい? ウィル。ああ、魔法石のことは陛下に教えて頂いているから話して大丈夫だ。」

 良かった。父上に話せないのは心苦しい。


「今日は途中の段階まで作れましたが、なかなか難しいです。何度も失敗しました」

「おお、ウィルにも難しいことはあるんだね」


「それはそうですよ。これまでも失敗を重ねたうえで作ってきたんです」

「悪い悪い。いろんな新しいものを次々に作ってきたから、ウィルには難しいことはないのかとつい思ってしまってね」


 王城の玄関までメイドさんに先導してもらって父上と歩く。

 そこでメイドさんに見送られて、待ってくれていた辺境伯家の馬車に乗り込む。


 馬車の窓から王都の景色を見ながら、フェアチャイルド家の屋敷へと戻った。

 さすがに王都は人が多くて、市場も賑わっている。


「父上、次に来たときは王都を観光できるでしょうか?」

「そうだね。近いうちに陛下は南の未開地の開発を我が家に命じると共に将来はウィルの領地にすると公表されるから、そうなると観光できるんじゃないかな」


「嬉しいです! 王都の市場に行ってみたかったんです」

 あまり僕が喜んだせいで父上は苦笑したけれど、「良かったな」と言ってくれた。


 屋敷に戻ったら早めに夕食を食べ、翌日に備えて早くベッドに入った。

 いろんなことがあった一日だった。


 陛下が世界樹を早く地脈のクロスポイントに移すためにいろいろ考えてくださっていたのはありがたい。

 僕一人で抱え込まなくていいんだと思えた。


 それから、エリカ先生に再会できたのは本当に驚いた。

 またモノづくりを教えてもらえるなんて思ってもみなかったから嬉しい。


 魔法石の材料になる『空っぽの石』のことをエリカ先生に教えてもらった。

 先生によると、ときどき見つかる珍しい物らしい。


 でも、初めて見たはずなのに『空っぽの石』は何かに似ている気がするんだ。

 何に似ているんだろうと考えているうちに、僕は眠りに落ちた。


 翌朝、再び馬車に乗って王城に向かう。

 父上は他の用事があるから、今日は僕一人だ。


 王城の玄関に着くと、きちんと話が通っていて、執事のおじいさんが工房に案内してくれた。


 工房に着いて間もなく、エリカ先生も現れた。

 「おはようございます、先生」

 「おはようございます、ウィリアムさん」


 まず昨日の復習をした。

 先生はノーザンフォードで教わっていた頃から、再現性は重要だと言っておられた。たまたま一度出来ただけではいけないと。


 昨日習ったとおりに生産スキルを発動すると、『空っぽの石』から『魔力の器』を作ることができた。

 ここまではもう大丈夫だ。


「それでは、魔力を込めていきましょう」

「はい」

 僕は『魔力の器』に慎重に自分の魔力を注ぐ。


 あれ? うまく魔力が入っていかない。

「『魔力の器』に魔力を注ぐのにはコツがあるのですよ」


 先生はコツを丁寧に教えてくれた。とにかく少しずつ注がないといけないようだ。

 僕は魔力が多いせいで一度に多く注ぐ癖があるみたいだ。


 その後も何度か失敗して、ようやく『魔力の器』に魔力を注ぐことができた。

 これで魔法石を作れたかな。



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