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怪石の呼び声  作者: 石田ヨネ
第二章 バッドシティ下関へ
8/40

8 何で? その平清盛が、そんなに力を持ってたんですかね? 何か、坊主の、お経を読んでる系の初老のおじいさん、の印象しかないんですけど


          (1)



 午後のこと。

 西京太郎と瑠璃光寺玉のふたりは、東京から下関へと、新幹線で向かっていた。

 東京から新大阪、新大阪から広島、それから新下関駅と、6時間以上かかる長旅になる。

「やっと、半分くらい、来たかな」

 西京太郎が、呟いた。

 その手には、車内販売の無くなった哀愁か、缶コーヒーがあった。

 また、相方の瑠璃光寺玉のほうは、シャンパンもどきのラ・フランスジュースを、わざわざ持ち運びのプラスチックのグラスに注いでいるという。

 この女も、大概、変わっている人間だといえる。

「やっぱ、遠いですね」

「うん。少なくとも、6時間くらいかかるからね」

「東京を出たのが、1時半くらいでしたもんね」

 それで、先ほど新大阪駅で寄り道して、わざわざ、このティータイムのためのものを買ったわけである。

 ダラダラして、さっさと行く気など、ないのだろう。

「東京―博多の『のぞみ』で行けばよかったですかね?」

「まあ、そうだね……? でも、ぶっ通しで乗るのだと、疲れちゃうからね」

「ですね」

 瑠璃光寺が、相槌する。

 優雅に、神戸土産に売ってる菓子を、ティータイムのお供にしつつ。

 その瑠璃光寺が、車窓を、見て、

「はぁ……、まだ、明石のあたり、なんですね」

「うん。そうだね」

「ああ、タコ飯でも、食べたい」

「タコ飯かぁ……、いいね」

 と、西京が、ほんのりと思い浮かべながら、

「しかし、飯の話ついでで思い出したが、今回の依頼は、下関か――」

「あ? 下関だと、やっぱ、フグが定番ですよね」

「それと、さっき食べた瓦そばも、B級なんだろうけど、ご当地のグルメだね」

「あとは、剣先イカの活き造りとか、クジラとかも、あるみたい。この、透き通ったイカの活き造りとか、めっちゃ美味しそうじゃないですか。下足のほうは、最後揚げて」

「うん。確かに、美味そうだね」

 と、西京は、瑠璃光寺の見せるスマホの画像に相槌しながらも、

「おっと、まあ、美味そうは確かなんだけど、食べ物の話じゃなくてね? 源平合戦の、壇ノ浦の戦いって、あったじゃない?」

「源平合戦……? ああ、ありましたね。平家物語の。まあ、でも……、私、あんまり古典とか、歴史の授業、ちゃんと聞いてなかったですけど」

「うん。僕も、けっこう適当に聞いてたんだけどね」

「何ですか? その、授業は真面目にしてなかったけど、優等生だった感のある……。それで? その、源平合戦が、どうしたんですか?」

 と、瑠璃光寺が、グラスを手にして聞く。

「うん。今回の調査では、壇ノ浦の合戦のころの残留思念というか呪詛的情報がね……、もしかすると、何かしらの影響があるかもしれない、っていう話もそうなんだけど、そのことは、置いといてね……。確か、平清盛の、平家の拠点がね……、アバウトに、この明石や神戸の辺りだったのを、思い出してね」

「私は、タコ飯とスイーツしか、頭に出せてきませんが」

「おいおい、君は、食べる物のことばかりだね。たまには、歴史のドラマに思いを馳せよう」

 と、神戸スーツを食う瑠璃光寺に、西京が言う。

 続けて、

「それで、何で? その平清盛が、そんなに力を持ってたんですかね? 何か、坊主の、お経を読んでる系の初老のおじいさん、の印象しかないんですけど……。というか? 日本史に出てくる人物って、何か坊主で、お経を読んでそうな系なのが多い気がします」 

「まあ、仏教が、けっこう絡んでくるからね」

「でも、その中でも、信長がヤバい感のあるのだけは分かる」

「まあ、平清盛も、定説ではそこそこヤバくてね、けっこう嫌われているヤツの扱いなんだけどね」

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