表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/42

第25話 ハイパー打ち込み稽古③ -幽霊-

ヴェローナ城、裏庭の稽古場――


 引き続き、スカイヘイブンとの決戦に向けた稽古をしているリュウト、ヒビキ、ランコ、ゼラニスの元にとある人物がやってくる。


「リュウト殿、ヒビキ殿!」

楽しく談笑していた二人は、張りがあり威厳もあるどこかで聞いたことのある声で、後ろから急に呼びかけられる。


「「ん?」」

 リュウトとヒビキは後ろを振り返り、目の前にいる人物を見て驚く。

「って、ええ!? アーサー!? なんで動けてるんだよ! もしかして幽霊?  いや俺が〇んだのか!? イヤ〜!! 助けて〜!!」


「おいヒビキ、落ち着けよ……」

 そんなヒビキをジト目で見て少し引いているリュウト。


「あはは、賑やかですね。では、ヒビキ殿、改めてご挨拶を。初めまして。私はヴェローナ王国、第一王子アーサーです。負傷した私をリュウト殿と一緒になって助けて頂いた事、伺っております。本当に感謝いたします」

 テキパキ、ハッキリと喋るアーサー。

ヒビキとリュウトに向かって深く頭を下げる。


「オッス。はじめまして、ヒビキです! 隣にいるリュウトと同い歳の十八歳で〜す」


「リュウト殿と同じ十八歳? お二人ともそうは見えませんが……」


「リュウト、何も言ってないのか?」


「ああ、そういえば。言うタイミングがなくてさ。ごめんなアーサー。実は俺ら、ここに来て子供の姿になってるだけで、中身は十八歳なんだ」


 普通ならありえない事実を伝えられ、目が点になるアーサー。

「え? それは一体どういうことでしょうか?」


「え〜っと、そのまんまの意味で……こっち来たら子供になっちゃったんだよね、俺ら」

 変なことを言っている自覚があるリュウトはうろたえている。


「えーと、なぜ子供に?」


「それは俺らにもわかんない……」


「不思議な事も……、あるものですね……」


「うん……、そうだね……」


「「「……」」」


 三人の間に静かな時間が流れる。


 静かな時間に耐えきれずヒビキがアーサーに問う。

「そ、それよりアーサー、あんな大ケガしてたのになんでそんなに元気なんだ? まだ半日も経ってないよ?」


「そうですね、信じてもらえるか分かりませんが……」

 アーサーは、自分のケガが時の天使の力により治癒された物だと説明する。


「「天使!? 時間を操る!? なんだそれ!」」

 驚くヒビキとリュウト。


「やはり……、信じて貰えませんよね……」


「いや、アーサーがそんな嘘をつくとは思えないし、事実、今俺らの目の前には元気なアーサーがいる。もちろん信じるよ」


「リュウト殿、ありがとうございます」


「ホント無事でよかったよな〜。時を操る、か〜」

 ここでヒビキはなにかに気づく。

「もしかして……? 『アレ』やれるんじゃないか」


「ヒビキ殿、どうされましたか? 『アレ』とは?」


「俺らの修行期間の短さを解決する『アレ』だよ!」


「ヒビキ、わかんねぇよ。『アレ』って何だ『アレ』って」


「なんで分からんかね! 俺らがいる空間の経過時間を遅らせれば、一週間以上修行できるかもだろ!」

 ヒビキは熱心に語っている。


「それは……? どういう?」

 何を言っているのか理解出来ていないアーサー。


「まさか! ヒビキ、お前! 『アレ』か!」

 ヒビキの言っている事にピンと来てしまったリュウト。


「わかったかリュウト! だてにアニオタ同好会の部長やってねぇな!」


「アニオタ同好会じゃねぇよ、超常研究部な。でもヒビキ、その案、アリだ。」


「えっ、ええ? お二人とも! どういうことか教えてください!」

 リュウトとヒビキの『アレ』トークに置いていかれているアーサーであった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ