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第1話 はじまりの少年

『空想』それは、現実では起こり得えない事に想いを巡らせること―――

この物語は、ある空想から始まった。


 とある世界、学校からの帰り道を歩く一人の少年がいた。彼の名前は、緋源(ひのもと) 龍斗(りゅうと)。 小学五年生。

 最近の日課は『世界を破壊しようとする堕天使を倒し、世界を救う』事。


「よ〜し、今日は最終決戦だ!! 俺が世界を救ってやる!」


そんな彼の日課が今日も始まる。



 世界を破壊しようとする堕天使ルシフルと、それを阻止しようとする炎の剣士リュウトの決戦。


 世界の存亡をかけたこの戦いは今、終わりを迎えようとしていた。


「これで終わりだ……!

クリムゾンファイアスラッシュ!!」


 最後の撃ち合いを先にしかけたのは、炎の剣士リュウト。

天にまで届く大火を纏った剣を全身全霊で振るう。

 

「消えるがよい、小さき挑戦者よ。

クラウンバニッシュメント!」


 相対するは、堕天使ルシフル。

光と闇の魔法で敵を一瞬にして消し飛ばす能力を持っている。


 彼の『クラウンバニッシュメント』は、魔力を全て注ぎ込んだ最大の攻撃。直撃すればこの空間から消えてなくなってしまう。


「全てを出し切り、俺が勝つ!」


「炎ごとき、消滅させてくれる!」


 リュウトの炎は、ルシフルの魔法によって瞬く間に消滅していく。

だが、リュウトの気持ちに呼応したその炎が絶えることはない。


 ここまで膠着し続けた戦い。

リュウトはもう既に限界を超えていた。最後の技に全てをかける。


「うおおおおおお! ルシフル!

これが、お前を倒す、炎の剣だ!!」


 さらに膨れ上がった炎は、一瞬にしてルシフルの魔法を包み込み、逆にそれを打ち消した。


そして、リュウトはそのまま炎の剣でルシフルの身体に深い傷を刻む。


 肩から胸まで達するその傷口から燃え盛る炎は、その身体を、焼き尽くしていく。


「ぐああああ! なぜお前らごときに、オマエらごときに私が負けるのだ! なぜ、なぜなんだ……!!」


「負けた理由……? ルシフル、お前は俺たちの大切なものを傷つけた。たった一つ、それだけだ」


 そう語る彼の言葉は、もう届かない。

ルシフルは、灰になり完全に消滅した。


 戦いに勝ったリュウト、灰になった敵には目もくれず、その場を後にするのであった。



 空想世界での戦いは終わり、場面は元の世界へ。


「クリムゾンファイアスラッシュ!」

 炎剣ブレイザード(傘)を大きく振り回す龍斗。


「いや、カッコよかったな〜。今日の戦い」

 最後の必殺技で敵をぶった斬り、斬った後は相手に目もくれずに決め台詞というのが今の彼のお気に入りのシチュエーション。


「でも、最後の決めセリフ、似たようなのをこの前何かで見たような……。まあなんでもいっか!」

 彼の空想は、彼がかっこいいと思うもの、影響を受けたものがタイムリーにガッツリ反映される。


「次はこの戦いの前に起きる、俺の仲間の戦闘エピソード考えよーっと!」

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