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ビートルズが高尚なものとして扱われる理由を考えたい

作者: kaya

ビートルズの最後の新曲『Now And Then』の公開が間近に迫ってきた今日、ビートルズが結成し、解散、そして今に至るまでの軌跡が今現在、日本では様々な人にどのように評価されているのか考えてみた。

とはいえ私はしがない高校生で、ビートルズ活動時はおろか、『1』が発売した時でさえ、まだこの世に存在していなかったので、僕がビートルズに興味を持った2019年頃以前のことに関しては、雑誌や書籍で拾った情報を元に語っていきます。あとあんまり詳しくないです。


先日、Xで「ビートルズがなぜ高尚なものとして扱われているのか分からない」という旨のポストが流れてきました。これを見た瞬間に反論の根拠が脳にうじゃうじゃと湧いてきました。好きなものを貶されているようで悔しかったんだと思います。しかし、同時に疑問に思ったのです。なぜそう詳しくもない世間の人々が「ビートルズは高尚なもの」と認識しているのかということを。

そもそも世間一般でのビートルズとはどのようなものなのか考えてみる。恐らく日本で生きていく上で、それを認識しているかは別として、ほとんどの人がビートルズの音楽に触れているはずだ。『Let It Be』や『Yellow Submarine』などだろうか。つまり、ビートルズをあまりよく知らない人々にとってこれらの曲が彼らのイメージに直結しているのではないかと考える。

それぞれの曲を少し深堀していこうと思う。

まずは『Let It Be』から。

言わずと知れた人類史に残る傑作。

メンバー間の関係が殆ど崩壊していたビートルズ終期、思い悩むポールの夢に死んだはずの母親が出てきて、「Let It Be」と彼に囁いたことがこの曲の誕生の経緯であることはあまりに有名である。

そんなこの曲の特徴は、とにかくキャッチーなところだ。子供から大人まで、世界中の人々が歌うこの曲には、歌詞やメロディから温かさや優しさが溢れている。そもそもポールはよくメロディメーカーと称され、キャッチーで耳に残るメロディを沢山生みだしてきたが、その中でもこの曲の出来はいい。ポールの甘い歌声はバラード調のゆったりとした入りから、優美なサビへと滑らかに駆け上がり、キレのある、そしてどこか寂しさを醸し出すギターソロで心を掴まれる、そして…

キリがないのでこの辺にして置くが、まあとにかく名曲である。この完成度の高い曲は、この頃のビートルズだから生み出せたものだろう。なぜならこの頃のビートルズは洗練されているからだ。彼らの持つセンスと経験が、それまでの実験的な姿勢によって拓かれた新しい音楽と融合し、絶頂を迎えた頃だと考える。(これは本当に人それぞれだと思う)そんな出来の良い曲が、彼らの代表作として語り継がれているのだとすれば、彼らが素晴らしいアーティストであることは、多くの人々がしっているんだろう。しかし、これだけで「ビートルズは高尚なもの」と思うものだろうか。

ここで先程挙げた『Yellow Submarine』について深堀していこうとおもう。

『Yellow Submarine』は、ビートルズ中期に子供向けの楽曲として制作された。つまりこれもまた、親しみやすいキャッチーな曲である。この頃のビートルズはひとつの転換期を迎えた時期であった。サイケロックと呼ばれる音楽は彼らによってもたらされたとも言われ、この曲はその黎明の渦中にあるものなのだ。ビートルズの実験的な制作は後の音楽に多大な影響を及ぼした。この曲もその一端を担っているだろう。しかし、世間一般ではこんなことは知られていない。『Yellow Submarine』を聞いただけでここまで想像し、「ビートルズはなんて高尚な存在なんだろうか」とはならないだろう。


つまり、世間一般の人々はそもそも「ビートルズが高尚なもの」なんて思っていないのだ。ではなぜその様な印象が蔓延っているのか。それは、まあ、おじさん、おばさんたちのせいなんでしょう。

素晴らしい音楽で、日本の音楽史に名を残すような人々は、特に60,70,年代に関しては、ビートルズを憧れに思っているアーティストはさぞかし多いことだろう。時代の変化というフィルターにかけられてもなお生き残り続けた素晴らしい音楽の生みの親は、ビートルズをこの上なく高く評価する。簡単な話、すごい人たちが凄いと言っている存在は、確かに高尚な存在であるように私達からは映るのだ。


ビートルズファンの私からすれば、これは少し悲しい考察である。それと同時に誇らしくもなる考察である。なぜなら、銀河にも収まらない彼らの魅力にひたれるのは私含めたビートルズファンだけなのだから。先述したように、彼らの実験的音楽は後世に多大な影響を与え、今現在、日本では「ビートルズに影響されていない曲はない」とまで言われている。

時代を切り開いた革命児たちのロックンロールで、現代ロックという大きな時代の幕開けを感じてみてはいかがだろうか。




ということで世間一般の皆さん、いい機会です。新曲も出ることですし、ビートルズ1回ちゃんと聞いてみませんかね。まずはベスト盤からでも、聞いていれば「あ、これ知ってる」となる曲が幾つかあるはずです。

1週間もしない内に赤盤、青盤と呼ばれるベスト盤のリマスターがリリースされます。是非。

あと新曲もね。楽しみ



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