81.魂外解放とは
朝になり、快眠だったからか疲れが取れ動きが軽やかになる満。望は先に起きていたらしく、いつも通り事件の記事を読んでいる。準備をし、家を出ていく。同じ日々に慣れ始めている満。
出社し直ぐに望と別れ、明菜の元に足を運ぶ。育成部の本部長室の扉をノックする。中から落ち着いた声でどうぞと返事が聞こえた。
「明菜、授業受けに来たぞ」
「おはようございます満くん。体は大丈夫ですか?」
望から話を聞いていた明菜が心配そうな顔で尋ねる。
「もう大丈夫だ。昨日は快眠だったからな」
「それならよかったです!今日は一昨日の復習ですよ」
にこやかに授業で使う物を準備し、立ち上がる。
「一昨日の復習もいいけど聞きたい事があるんだ」
「聞きたい事ですか?」
「望が言ってたんだけど魂外解放って何だ?」
「魂外解放ですか?なるほど…満くんはまだ知らないんですね。でしたら今日は魂外解放を教えましょうか」
そう言うと明菜が部屋を出て個室に向かった。空いていた個室に入り、満が席に座る。
「魂外解放について聞きたいのですね?」
「うん…望が俺は魂外解放が出来るかもしれないって言ってたんだ」
「満くんが…なるほど。では説明しますね」
明菜がマーカーを手に取り、ホワイトボードに"魂外解放とは"と書き始める。
「魂外解放とは我々、魂外が持つ潜在能力の事です」
「潜在能力?」
「そうです。ある一定の条件を満たすと使える様になる力ですね。シャドーを身に纏い姿が変わります。魂外解放を使える者はそう多くは無いんですよ」
「一定の条件って?」
「そうですね。例えば」
ホワイトボードに書き始める明菜。文を書き始め満の方を向く。
「ホワイトボードに書いたのは例です。元々歩けなかった魂外が数歩歩けたや高いところから飛び降りたなど個人で条件は様々なんです」
「その条件って最初から分かってる訳ではないのか?」
「分かっていません。なのでたまたまその条件に当てはまった者が魂外解放を使える様になるんです」
「だから使える奴が少ないのか」
「そういう事です。対策部にいる方々は皆、魂外解放が使えますよ」
「ええ?!」
満が目を見開き声を出して驚く。明菜が柔らかく微笑み付け足す。
「因みに我々本部長も皆、魂外解放は使えますよ」
「ええ?!!?」
再び素っ頓狂な声を出し驚く満。
「明菜の条件は何だったんだ?」
興味津々で明菜に問う。明菜は考える素振りをし、思い出したのか顔を上げた。
「確か車より速く走るが条件だった気がします!」
明菜がどんな魂外かは知らないが脚の速さは確実に負ける事を知った満。勉強から逃げる事が出来ないという地獄の知らせであった。




