69.明菜の微笑み
本部に着き、車から降りる。建物に入ると明菜が笑顔で駆け寄り出迎えてくれた。
「おはようございます、お二人共。本部に着いてからワクワクしてしまいずっとここで待ってしまいました」
「何時にここに着いたんだよ」
「6時です」
望が指輪をダブルタップするとデジタル時計が浮かび上がり時間が表示される。
午前8時
2時間もここで待ってたのかと苦笑しながら望が少し遠慮がちに言う。
「待っていてくれたのは嬉しいが明菜も仕事があるだろ?次からは満が明菜を迎えに行くから本部長室で仕事をしてて大丈夫だぞ」
「えっ俺が?」
「当たり前だろ。お前が授業を受けるんだからな」
望の申し出に明菜が嬉しそうに満を見つめる。
「満くんが呼びに来てくれるんですか?凄く嬉しいです!それなら本部長室でお仕事をしながら楽しみに待ってますね」
嬉しそうに微笑む顔が眩しすぎて文句を言うタイミングを逃す。
「あぁ…任せとけ…」
苦笑いで了承する満。望を睨みつけるが望は知らん顔で話を進める。
「じゃ満を頼んだぞ。俺は仕事に行く」
「わかりました。お仕事頑張ってください」
微笑みながら手を振り、望を見送る明菜。望の姿が見えなくなると満に向き直り、優しく話しかける。
「では育成部の個室教室でお勉強しましょうか」
明菜が微笑みながら満の手を握り、歩き始める。満は俺は何歳だと思われているのだろうかと思いながら仕方なく手を繋ぎ歩く。対策部の奴らに見られたら、からかわれる事間違いなしのこの状況を頬を赤らめ羞恥に耐えながら顔を俯かせる。
エレベーターに乗り、育成部の個室教室に向かう。何を勉強するのかわからず、考えてみるがこの状態が恥ずかしすぎるのか考える事が出来ず黙ったまま個室教室に着いた。




