6.二本目
そこまで待つ事もなく、デジャブを感じながら今度は物陰から飛び出し攻撃を仕掛けてくる。本当に考えて行動しているのかを疑うくらい単調で無駄な動きが多い。眠気で目を擦りながら尻尾一本で攻撃を軽く受け流す。攻撃の仕方に変わりはなく、昨日とまるで同じな事に少しガッカリしながらその日は望が満をズタズタにして終わった。
3日目
同じ時間帯に廃工場に入ってきた望は少し違和感を覚える。あんなに殺気で満ちていた空間に微塵の殺気も感じないからである。逃げたのかと思い広間の方に進んでいく途中、微かに何かが動く音が聞こえたかと思った瞬間、コンクリートの壁が大きな音を立てて崩れ何かが望に向かって突き進んでくる。
「裏をかいたぞっ!死にやがれスカし野郎っ」
黒い爪がこちらに向かってくるのを一本の尻尾で阻止し、もう一本で切り傷を与え壁に叩きつける。噎せながら力なくへたり込む満だがニヤリと笑い望を見上げる。
「やっと二本だ。絶対に尻尾三本出させて戦わせてやるからな」
ゆっくりと立ち上がり、尚も向かってくる満に少し不気味とも言える笑みを浮かべながら戦う望。満が成長してるのが嬉しいのかその日は何時もより本気で戦い、満をボロ雑巾の様にして廃工場から去った。
期待に応えてくれる者は好きだ。こんなにも心躍らされ楽しませてくれる者は何時ぶりだろうと考え、喜びを抑えられないのか尻尾を出したままブンブンと振る始末。軽い足取りで車に乗り込み、ここ最近のルーティンとも言える一日が終わろうとしている。
この日は仕事がないのかいつもと違う方向に車を進めると帰路についた。




