67.見えぬ優しさ
望が誰もいなくなった部屋で書類を纏め、引き出しに入れる。軽く書類を纏め終わり、立ち上がる。満の近くまで来て見つめる。何かを思っているのか暫く見つめた後に姫抱きで抱き上げ部屋を後にした。
エレベーターに乗り、1階まで来て降りる。帰路につこうとしていると誰かに呼び止められた。
「望さんお疲れ様です。今帰りですか?」
明菜が微笑みながら望の近寄る。
「あぁ明菜か。お疲れ」
振り向いた望が満を抱き抱えている事に気づき明菜が驚きながら言葉をかける。
「あら満さん、どうしたんですか?」
「いや今日は戦闘訓練をして貰ってたんだ」
「なるほど。それでバタンキューなんですね」
明菜がまた微笑み、頑張りましたねと満の頭を撫でた。
「明日は午前中に明菜に授業をお願いしようと思っていた。出来るか?」
「大丈夫ですよ。丁度午前中はフリーでしたので」
「なら頼むな。色々と教えてやってくれ」
「わかりました。お任せ下さい」
優しく微笑む明菜が頼もしく胸を張る。明菜に一言別れの言葉をかけると車に向かった。
家に帰ってくると満をソファに寝かせ、望は鞄をそこら辺に投げ捨てると満の部屋になる筈の部屋に入り、ダンボールを片付け始めた。望も事件の解決に出向いたり、上に呼ばれ会議に出たりと多忙で疲れているはずなのに休まず手を動かす。
「取り敢えず、早く部屋らしくしないとな」
順調に要らないと判断した物を捨て、ダンボールを畳んでいく。夜遅くまでその作業を繰り返し、部屋からダンボールが無くなったのは朝方であった。望はダンボールが無くなったと同時に仮眠を取ろうとアラームをつけ、深い眠りについた。




