66.戦闘能力強化隊
夜になってしまい聖華は家に帰り、誠はもう少し訓練室で鍛えると行ってしまった。暫く唯菜と和真が話していると部屋の扉が音もなく開き、望が入ってきた。
「お疲れ様、望ちゃん」
「お疲れ」
「2人ともお疲れ。満の話を聞きに来た」
望が自分の席に向かい、疲れたのか深く背凭れに腰掛ける。一息付き、少し姿勢を正し望が口を開く。
「それで満が形態変化したってのは本当か?」
「本当よ。いきなりだったんだけどね」
「そうか…シャドーの特性なのか特殊体質なのか」
「それでさっき一緒にいた聖華ちゃんと誠ちゃんに聞いてたのよ。形態変化した魂外と会った事があるかって」
「それで?」
「会った事はあったけど満ちゃんの形態変化とはちょっと違かったわ」
「そうか…」
望が顎に手を当て、何かを考え始める。和真に目を向け問いかける。
「和真は戦ってみてどう思った」
和真が望の問いに少し困った顔をし、口を開く。
「そうだな。言ってた通りシャドーの使い方がまだわかってないし、凄く弱いな。あれで対策部にいるのは厳しいと思う」
和真が思った事を素直に言う。望がそうだなと頷くとまた考え始めた。
「望ちゃんは何で満ちゃんを連れてきたの?」
唯菜の素直な疑問に望がまた悩みながら口を開く。
「任されたんだ」
「任された?」
「今はそれしか言えないな」
望の言葉に笑顔でそっかと返す唯菜。和真が首を傾げ、疑問に思いながら投げかける。
「えっそれで納得なんですか?」
「ええ、納得したわよ」
「今の返答で?」
「今はそれしか言えないならいつか言ってくれるでしょ」
唯菜の言葉に少し腑に落ちない表情でそうですかと返す和真。望が考えが纏まったのか2人に話し始める。
「2人には今後、満の戦闘訓練の先生になってもらう」
「え"っ?!」
「あら、いいわよ」
和真が嫌そうな顔をし、それと対照的に唯菜が軽く返事をする。
「満が自由に形態変化を使いこなせる様にしてほしい。多分本人も気づいてないだろうからな。説明も頼むぞ。使いこなせる様になってから俺が相手になる予定だ」
「わかったわ。でも簡単には使いこなせないと思うわよ」
「そうだろうな、だが素質はある筈だ。俺と戦った最初、ダダ漏れだった殺気を数日で隠せていた。無意識かそうする事が出来たのか分からないが戦闘のセンスはある筈だ」
「なるほど。なら強くはなりそうね」
唯菜が笑顔で頷き立ち上がる。
「じゃ今日はもう帰るわね。明日からでいいんでしょ?」
「そうだな。明日から唯菜と和真に任せる」
了解と言うと唯菜が部屋を出ていく。和真が慌てて立ち上がり唯菜の後を追い、出ていった。




