62.謎の存在
和真が満を背負い訓練室から出る。階段を降り、唯菜が受付のお姉さんに鍵を返しに行く。唯菜が戻ってくると和真が話し始めた。
「望はまだ対策部にいますかね」
「んーいてくれたら報告出来るんだけど」
「なら行ってみるだけ行ってみましょうか」
「そうね」
エレベーターまで来て、ボタンを押し扉が開く。乗り込み、60階のボタンを押す。扉が閉まり、エレベーターが上に向かって動き始める。唯菜に話しかけたくても何を話したらいいか悩んでいる和真がモジモジする。
「望ちゃんは何の為に満ちゃんを連れてきたのかしら」
外を眺めながら唯菜がボソッと呟く。
「いつも通りじゃないですか?気まぐれで連れてくる事ばっかりですし」
和真があまり深く考えず応える。暫く沈黙した後にまたも唯菜が呟く。
「本当にそれだけかしら」
唯菜の呟きに和真は気付かず、60階に着く。
エレベーターを降り、対策部の部屋に入る。思った通り望の姿は無く、部屋には誰もいない。
「取り敢えずこいつはソファに寝かせときますね」
「そうしてちょうだい」
和真が満をソファに寝かせる。肩を軽く回しながら自分のデスクに向かい、椅子に座る。
「それにしても満のシャドーは謎が多そうですね」
「そうね。異形型っぽいけどシャドーの形が変わってたわ。形が変わるシャドーを使う子なんていたかしら」
「いたとしたら珍しいので覚えてると思うんですけどね」
「そうなのよね」
唯菜が考えながら満が寝てるソファとは別のソファに座る。
すると部屋の外が少し騒がしくなり勢いよく扉が開いた。
「お疲れ様です!今日は珍しく仕事がないので訓練に来たのですが訓練室が埋まっていたのでこっちに顔を出してしまいました」
部屋に入ってきて早々大声で明るく話し始める誠。
「おっお疲れ様です。もう今日は休みという事で大人しく家に帰りましょうよ…」
誠に続いて聖華がオドオドしながら部屋に入ってくる。
「それじゃつまらないですよ!折角本部に来たんですから訓練しましょう」
「いつもしてるじゃないですか」
聖華が困りながらやんわり断ろうとしていると2人で話していた唯菜と和真と目が合った。




