61.変化
和真の球体は動きが予測不可能で壁に当たると起動が変わる。それが複数の球体で起きている為、球体同士が衝突しても起動が変わる。しかも動きは速く、目で追うのがやっとの状態だ。
「これが和真のシャドー」
壁に当たった球体が満に向かって飛んでくる。自分に向かってくる球体を爪で打ち落とすのがやっとで和真には近寄る事すら出来ない。
「望と違った意味で厄介だ!」
望のは軌道を掴めばどうにか戦えるまでにはなったが和真のシャドーは全くの別物だ。壁に当たって弾いた球体がどう飛んでくるか何処に飛ぶかが全く分からない。その為、近づきたくても近づけないどころか攻撃を食らうこともある。
「何でこんなに軌道が変わるんだよ!何処から飛んでくるか予測が出来ねぇ」
1つの球体を避けてもまた違う球体が満を襲う。爪で球体を弾いてもその弾いた球体が球体に当たり跳ね返ってくる。身体中痣だらけになりながらボロボロの状態で倒れては立ち上がる。
「根性はあるみたいだな。でもそのままじゃ俺に傷なんか付けられないぞ」
余裕を見せる和真。意識が朦朧とし始める満。フラフラとしている満に複数の球体が襲いかかる。が、今にも倒れそうな満が体を思い切り捻り、腕を振り切る。球体が全て弾き飛ばされ、和真が目を見開き満を見た。
満の黒い爪は消えており、代わりにとても大きな角張った指が5本ちゃんとある手の様な形のシャドーが両袖から出ていた。
「何だその形。さっきと形が違うぞ」
和真が警戒しながら満を見ていると満のシャドーが靄の様に消え、意識を失った満がその場に倒れた。
「何だったんだ、さっきの」
和真が倒れた満に近寄る。完全に気を失っているのを確認すると軽くため息をついた。
「やっぱり満ちゃんはまだ発展途上なのね」
「唯菜さん」
ずっと見ていた唯菜が降りてきて近寄る。
「この子のシャドーはまだ何か隠されてるみたいね」
「ですね。望はこうなるって分かってたのか…」
「どうかしら、まぁ少なくとも何かしらはあるって思ってたんじゃない」
2人が意識のない満を見つめ、未知の存在に少なからず期待をしていた。




