49.挨拶回り⑮
「お疲れ。ミラはいるか?」
「望さんお疲れ様です。ミラ本部長は今、口を割らない闇組織の残党の拷問中です。お呼び致しますか?」
「あぁ、頼む」
部屋に入り、直ぐ受付のお兄さんに話をかける望。受付のお兄さんは幸が薄そうな、あまり血が通ってなさそうな見た目をしている。望には普通に話しているが満の事は軽く睨み、目を逸らす。唯菜が言っていた通り、望以外の奴を敵視して睨んでいるというのはこういう事かと満が納得する。
お兄さんがbird phoneに話しかけデジタルの鳥が飛ぶ。
「お忙しいところ申し訳ありませんミラ本部長」
『………忙しいって分かってんならかけてくんなよ』
「ですが望さんがお呼びです。本部長室に通していいですか?」
『……しょうがねぇな。もう少しで終わるから待ってろって言っとけ』
ブチッと切れ、鳥が指輪に戻る。
「今聞いた通り、少し待ってもらう事になりますが宜しいですか?」
「大丈夫だ。じゃ本部長室で待ってるな」
望が歩き出し、その後を満が追いかける。チラッと受付のお兄さんを見るとやはり満を睨んでいる。満が生意気に舌を出し挑発する。受付のお兄さんは少し驚いた顔で満を見つめ、2人が部屋を後にした。
エレベーターの前に来て扉を開け、乗り込む。地下2階を押し扉を閉める。
「本部長室、地下2階なんだな」
「あぁ、他の部署は離れてるんだけどここはな…拷問部屋が地下3、4、5だからそういう構造になってるんだ」
望の説明が終わったと同時に地下2階に着き、エレベーターを降りる。本部長室と書かれた部屋に入ると書類と服が散らかっている。満が誰かさんの部屋と似ていると思いながら望を見る。
「相変わらず散らかってんな。整理整頓ぐらいしろよな」
お前が言うな!と心の中で思いながら満は散らかっていないソファに腰を下ろした。




