47.挨拶回り⑬
部屋の前まで来ると躊躇う事無く扉を勢いよく開けた。
「ふぎゅっっ」
「ん??」
間抜けな声が聞こえたと思い、扉をゆっくり開くと顔面を真っ赤にし目を回す少年が立っていた。
「尊か。そこに立っているとは思わなかった」
「いえ…丁度報告書が溜まってきたので出しに行こうかと」
弱々しい声で落とした報告書を掻き集める。この少年も頭から垂れ耳を生やしているが何の動物かは分からない。
「どうしましたか?僕のところに来たという事は何か協力して欲しい仕事とかですかね?」
「いや今日は違う用事だ。昨日対策部に所属した新人を挨拶に連れてきた」
望が挨拶しろと満を前に出す。
「能宮満だ…よろしく」
相変わらずぶっきらぼうに短い挨拶をし目を逸らす。
「新人さんですか。対策部は人手が何時でも足りないみたいなのでよかったです」
ほんわかしたオーラが全面に出ている少年が嬉しそうに微笑む。
「尊も自己紹介お願い出来るか?」
「あっはい。僕は魂外行不部、本部長の兎月尊です。よろしくお願いします」
兎月?
満が疑問に思い尊の顔をじろじろ見ていると
「僕の顔…何か付いてますか?」
尊が困りながら聞く。
「いや付いてるというか」
見たことある気がするんだよなと首を傾げていると望が口を開いた。
「尊は誠の双子の弟だ。だから顔が似てるんだよ」
「あー!だから見た事ある顔なのか」
疑問が晴れすっきりする満。
尊は髪が茶髪でショートボブ。前髪を右側に流しており、目はタレ目の黒目。ほとんど誠と同じパーツだが眉が八の字で困り顔をしている。自信満々の誠とはそこが明らかに違う。服装も誠と全く一緒なので間違えそうではあるが誠の耳はうさ耳でピンと立っている。だが尊の耳は垂れ耳なので姿で間違えることはない。
「こいつは今日から俺のバディだ。何か困った事があったら助けてやってくれ」
「バディですか、なるほど!……ん?」
嬉しそうにうんうんと聞いていた尊が首を傾げ固まる。理解が追いついてないのか少し経ってから大声を出した。
「望さんのバディ?!!!!!」




