46.挨拶回り⑫
「その魂外とバディになるのは見過ごせない。見たところまだ解放も出来てないんじゃ話にならない。貴方の足を引っ張るだけ」
先程とは違い、反対の意思を見せる七瀬。望が額を押え首を軽く振る。
「さっきまであんなに興味がなかった癖に。急に意見するとは…いつもそれなら嬉しいだけどな」
「大きなお世話。急に意見をする程認めてないという事。ここには貴方に憧れている者、貴方に救われた者が大勢いる。私もその1人…貴方に何かあれば直ぐに調和が崩れる。それを忘れないで」
真剣な目で望を見つめる七瀬。その目に屈する事無く、見つめ返す望。七瀬が溜息をつき、これ以上言っても無意味と言い捨てるとまたモニターを見つめ、デジタル文字盤を打ち始めた。
「時間空けてくれてありがとな。またな」
望が軽く言葉を投げかけると満と一緒に部屋を出た。エレベーターの前に来て、ボタンを押す。
「感情が読み取れない奴だったな」
「七瀬はここに来た時からずっとあんなだな。もう少し"人間らしさ"があるといいんだけどな」
"人間らしさ"
満たち魂外に取ってそれは嫌味にも取れる言葉。人間ではない魂外に取って人間らしさとは何を指して人間らしさと言うのか疑問であった。それを魂外である望が言葉にしているのは敢えてなのだろう。
エレベーターが到着し乗り込む。50階を押し扉を閉める。エレベーターが直ぐ目的地に着き、扉がゆっくり開く。望はエレベーターから降り、目の前の魂外行不部と書いてある部屋に入った。
行不部は医療部や喰金部よりも忙しそうにする者が多く、受付にたどり着くのも一苦労だった。
「望さんお疲れ様です。何か御用でしょうか?」
受付のお姉さんがにこやかに望に話しかける。お姉さんの頭には見慣れない犬耳が生えている。紗夜が言っていた様に行不部は動物型が多いらしく、忙しくしている者達も見た目が様々な者ばかりだった。
「尊はいるか?」
「本部長でしたら今日は報告書の山に追われていると思いますので本部長室にいると思いますよ」
「そうか。ありがとな」
受付のお姉さんが軽く会釈をし望は早速、本部長室へと足を運んだ。




