41.挨拶回り⑦
「ふーん、見込みね。なら僕も認められるくらい強くさせてよ。じゃないとこいつが望の足を引っ張って望が死ぬ様な事が起こったら…僕こいつの事殺しちゃうからさ」
ひんやりとした冷たい視線を浴びる満。
殺意。
背筋がゾクッとしながら耐えきれず目線を逸らす。
「取り敢えず挨拶って事だよね?ならもう僕は行くよ。今いいところだからさ…後、ミラにバディの事話す時は気をつけなよ。じゃお疲れ」
天吏が立ち上がり扉に向かって歩き、出ていく。それを見送るとどっと疲れが来たのか満がぐったりとする。
「子供に見えるが強い殺意を感じただろ?」
望の言葉に満が軽く頷く。
「天吏はあんな容姿だがあれでも53歳だ。お前より年上だし成人してる」
「はぁ?!」
自分より歳上な事も驚きだが成人までしていると言う事にショックを受ける満。
「本部長たちは皆1人でも戦えるくらい強い奴に部署を任せてる。だから俺たち対策部と互角に戦えるくらい強い奴ばっかなんだ」
だからあそこまで強い敵意を感じたのかと納得する満。もし本当に自分が足でまといになり望が死ぬ事になれば天吏は遠慮なく自分を殺すのだろうと頭の中で考え、だったら何だって言うんだよと頭を振る。自分が完全に天吏を恐れている事が分かり、戸惑う満。汗をかきながらそんな情けない自分を殴りたくなった。
「よし、天吏に挨拶が出来たから次は喰金部だな。喰金部の本部長は好戦的な性格ではないから大丈夫だと思うぞ」
満が疲れている事に気づいているのかフォローを入れ、部屋を出ていく。満が複雑な表情で俯きながら望についていく。やはりまだ子供だなと思いながら満を気にはするもどう声をかけていいか分からず、微妙な空気が流れる。こんな時、理仁や結菜がいてくれれば場が和むんだがと思いながら2人の有難みを知る望。エレベーターまで来て上ボタンを押し、微妙な空気の中、来るのを待った。




