40.挨拶回り⑥
暫くして扉が開いた。扉の方に2人が目を向けると小さい男の子が部屋に入ってきた。満が迷子かと思い、声をかけようとしたが望が先に話しかけた。
「久しぶりだな天吏。発明は順調か?」
「急に呼び出すなんてさ。良いとこだったのに…で何の用?」
天吏と呼ばれた子供を見て驚く満。こんなに小さい子供が部署で本部長を任されてるのかと開いた口が塞がらないでいた。
天吏は全体的に真っ白でショートボブの白髪。肌も真っ白で目は青色。太ももくらいまで白いコートを着ておりズボンを履いているが短い為、スカートにも見える。膝ぐらいまである白いブーツを履いているからなのかトータルで見ると子供が雨具を着ている様にしか見えない状態だ。
「でこのガキは何?」
お前にだけは言われたくねぇよと思いながら天吏を睨みつける満。天吏は首を傾げ、満を見つめる。
「こいつは能宮満。新人だ」
「能宮って"大喰らいの魂外"って呼ばれてた奴?また拾ったの?ほんとそういうの好きだね」
呆れながら首を横に振り、軽くため息をつく。立ったまま話していた天吏が自分の席に着く。本部長と書かれた札がある机。その椅子に座ると子供と言ってもオーラがあり、本部長なのだと理解させられた。
「こいつは俺のバディになる。だからお前ら本部長にも知っといてもらおうと思ってな」
"バディ"の言葉に眉をピクっと動かす。眉間に皺を寄せ、さっきよりも不機嫌になっているのが目に見えてわかった。
「バディ?望の?そいつが?」
じろりと品定めでもするかの様に満を見る天吏。満も居心地が悪く、なんだこいつと思っていると天吏が言葉を続けた。
「反対なんだけど。こいつ僕より弱そうだし…こんなお荷物になりそうなのバディにして何がしたい訳?」
刺々しい言葉が満に投げかけられる。満の顔がどんどん険しく不機嫌になり、額に血管が浮き出る。文句を言おうとした時、望が口を開いた。
「確かにこいつはまだ弱いが伸び代があると俺が見込んだ。お前が何と言おうとバディをやめる気はない」
自信満々に傲慢な事を言い放つ望。ここまで来るといっそ清々しいと思う満だがその傲慢さが少し嬉しいと感じる事も無くは無かった。




