3.ガムシャラ
息を切らしながら何度目かの攻撃を望に仕掛ける満。だが望は一歩も動いてないというのに無傷。三本の尻尾が満の攻撃を全て弾き、軌道を変えていく。尻尾は手を動かすかの如く、器用に絡む事なく敵の攻撃を見透かす。
攻撃が一つも通らない事に苛立ちを募らせていく満は攻撃が大雑把になり大振りになっていく。涼しい顔でスカしているこの野郎の顔面を刻む意気込みではある満だが攻撃が通らなければ意味が無い。何故、攻撃が通らないのかと考えるよりも先に攻撃をしてしまっている為、現状は変わらず、望が飯事遊びと言ったのは過言ではなかったのだ。
「少しは考えて戦えないのか?このままじゃ退屈で寝ちまう」
望の一言で益々、苛立ちを募らせる満。苛立ちを通り越し最早、殺気とも言えるオーラを纏っている。
「うるせぇスカし野郎っ!言われなくても今からお前の顔面ミンチにしてやんよっ」
考える事もなく、大振りの攻撃を繰り出す。望が軽く尻尾で弾くと一瞬で満が吹き飛んでいった。
「クソっ」
満が直ぐに立ち上がり、広間を出ていく。
「今度は逃げるのか」
望は頭に入れている見取り図の中で満が使っている部屋に絞っていく。広間から1番近い部屋に足を運ぶ。部屋に入り、辺りを見回す。
満の姿はなく、どこかに隠れているのだろうと部屋の奥に入っていく。この部屋は広間よりは狭いが人が住むには広すぎるくらいだ。望の歩く足音が響く。部屋の真ん中で足を止め、周りを見渡す。静寂に包まれているがそれも長くは続かなかった。
「死ねっスカし野郎っ」
天井に配管がびっしりと詰まったその隙間に身を潜めていたのか満が勢いよく望に向かって飛び出した。




