36.挨拶回り②
エレベーターが止まり、扉が開く。乗り込むと望が10階を押し、閉めるボタンを押した。エレベーターが動き出し、下へと向かう。満は外を眺めながら何処へ向かっているのか考えていた。
エレベーターが止まり目的地に着く。エレベーターから降りると望は真っ先に魂外医療部と書かれた部屋に向かった。扉を開くと忙しそうに歩く白衣を着た者たちが目に入った。忙しいのか書類を持ち、話しながら歩いている者たちが大半だ。
「ちょっといいか」
望が受付のお姉さんに声をかける。
「あら望さん。今日はどうしたんですか?」
清楚で綺麗なお姉さんがにこやかに望に話しかける。
「薗に会いたいんだが今空いてるか?」
「薗本部長ですか?予定を見てみますので少々お待ちください」
手元で浮き上がったデジタルの文字盤で文字を打ち始めるお姉さん。
「薗本部長は今休憩中ですので丁度、本部長室に居られると思います。足を運んでみてください」
「そうか。ありがとな」
軽く礼を言い、部屋から出ていく。またエレベーターに乗り、19階を押す。エレベーターが登り始める。先程より近い為、エレベーターは直ぐに着き、扉が開いた。早足で本部長室と書かれた部屋にノックもせず入った。
「薗いるだろ。用があって来た」
体を椅子に全部預け、ダランとしながら座っている女が煙管を口から離し、気だるげに返事をした。
「あーー…望か。何の用だ?あたしは暇じゃない。用があるなら貴重種やら特殊体質の魂外を連れてきてからにしろ」
「昨日新人が入ったんだが身体検査をして欲しくて来たのと挨拶回りだ。もしかしたらお前の好きな特殊体質かもしれないぞ」
その言葉を聞いた途端、怠そうにしていた女が凄い勢いで起き上がり目を輝かせ、煙管を満に向けた。
「それを早く言えってんだ。それなら大歓迎だルーキー。あたしは魂外医療部本部長の上沼薗だ。よろしくな」
「よっよろしく…」
ニヤッとした笑みに満は悪寒が走りながらも応えた。




