20.戦型
「いっでぇぇぇぇぇっ?!」
理仁が大きな声を出しながら椅子から転げ落ちる。頬を抑え、パニックになりながら紗夜を見た。
「いきなり何すんだ紗夜?!俺が何したって言うんだよ」
涙目で頬を撫でながら紗夜に訴え掛ける。
「何したも何も僕の説明中に寝てるなんていい度胸してますね」
少し怒気の混じった声で理仁に寄り、仁王立ちで見下ろす。理仁がギクッとしながらしどろもどろし始める。
「えっと…それはだな、ほらっ俺昨日仕事で寝るの遅かったろ?」
「いえ、貴方は僕よりも先に帰って朝も遅刻して来ました」
「いやえとそれはだな…」
汗が吹き出し目が泳ぎまくる理仁。勢いよく望の方を向き、助けを求めるが無視。今度は満の方を見つめ助けを求める。満が目を逸らし困っていると
「紗夜ちゃん、早く満ちゃんに教えてあげなよ」
唯菜が助け舟を出し、紗夜が先程の真面目で落ち着いた口調に戻った。
「そうでしたね。理仁、能宮さんに性質特殊型の特徴を見せてあげてください」
見逃して貰えた事にホッとしながら理仁が腰に提げている霧吹きを手に取る。
「それくらいお易い御用だぜ」
霧吹きの頭を取り、ボトルに黒い液体を入れていく。ボトルを閉め、部屋の隅にある観葉植物に狙いを定める。引き金を引くと黒い液体が勢いよく植物に向かって鋭く吹き出た。葉に黒い液体が当たり、滴る。
「どうだ凄いだろ!これ俺が発明した霧吹き型の銃みたいなもんでこれがあれば銃の威力で水を出す事が出来るんだぜ。今は弱めに撃ったからそんな威力なかったけど実践だと」
「ん"ん"っ」
興奮気味の理仁に咳払いをして話を止めさせる紗夜。口をキュッと閉じ、少し拗ねながらもう少し話させてくれてもいいじゃんかよと呟く理仁。
「今見た様に性質特殊型はシャドーの性質が変わっている者の事を言います。理仁のシャドーの性質は水です。なので僕達が理仁のシャドーに触れるのは致命的です。覚えておいてくださいね」
満が雑な扱いを受けている理仁を横目に頷く。この説明を聞くからに自分が性質特殊型ではない事がはっきりとした。




