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ソウルピリオド  作者: の下
第1章 出会う魂外
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1.人ならざる者





工場地帯の廃墟には色々な物が集まり住処にしてしまう者がいる。刑事が長らく捜していた大物が今この工場地帯の廃墟を(ねぐら)にしているとの情報を掴んでから躍起になって周囲を囲み、逃がすなんて大失敗を回避する為、絶対的信頼のある者に担当を任せた。




阿勝望(あがち のぞむ)




グレーのスーツに黒い短髪。左側の一束だけ少し長く伸ばし、風に軽く(なび)かせる。澄ました顔で工場地帯を軽く見回し、頭の中で軽いシミュレーションをする。真紅の瞳が奥にある広間の辺りを見つめる。



工場の見取り図は頭に叩き込んでいる為、どこにどの部屋があるかはわかっていた。中にいる大物はもう状況を把握しているだろう。だが、逃がす気はない。取り囲んでいる警察や刑事達には、望が手だし無用と伝え、待機させているだけ。当の本人は工場地帯の中を下見をするかの様に表情1つ変えずに中へ入っていった。




乾いた足音が響く。大物は広間を1番の拠点(きょてん)としている。広間にいなくても数箇所の部屋しか使っていないらしくそこを虱潰し(しらみつぶし)に廻っていけばいいと考えているのだ。望の目的は逃がさずに大物を捕まえる事だがもう1つ目的があった。その目的の為に今回、望本人がこの任を受けた。




広間に足を踏み入れる。物音はしない。荒れている様子もない。が、望は自分に強い殺気が向けられている事を察っしていた。殺気がする方に体を向けようとした時、素早く此方に突っ込んでくる者を目で捉えた。



「やっと見つけたっ。テメェの顔を忘れた事はねぇぞ、クソ野郎」

向かってくる少年が大声で叫びながら鋭い刃を振り(かざ)す。殺気に気づいていた望は軽く避けていく。微塵切りにでもしようとしているのか、有無も言わさぬ連続攻撃。だが望は、一つ一つの乱暴な攻撃を見切って避ける。そして距離を取り、少年を見つめた。

「ずっと探してた…5年前から。その涼しい面ギッタギタにしてやる」

少年が爪を向け、望を睨みつける。



濃いピンク色の切りそろえられた前髪。アホ毛が頭の上で靡き、伸びた後ろ髪が首に巻かれた紐の様なチョーカーと一緒に揺らめく。可愛い顔立ちで頬には怪我でもしたのか大きめの絆創膏が貼られている。半ズボンにダボっとした服。裾から手が出ない程、大きいのがわかる。手の代わりに出ているのは、黒く鋭い大きな爪。人の手ではない。その爪が人ならざる者だと語っている。




この少年が"魂外(こんがい)"であると。


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