10.自慢げに
外で待機していた警察や刑事が顔を見合わせ、何が起きているのかわからない状態で望と隣を歩く満を見つめる。近くにいた刑事が駆け寄り、望に話しかけた。
「阿勝警部。大食らいの魂外はどうなったのですか?それに隣にいる子供は一体…」
不安そうに話しかけてきた刑事に望は軽く問に答えた。
「大食らいの魂外はこいつだ。今日からこいつは俺の部署で面倒を見る。以上」
周りにいた者達が皆、口をあんぐりと開け2人を見送った。
「いいのかよ。あんな訳わかんない説明だけで」
「いいんだ。あいつらは全員人間だ。細かく説明しても理解しようとする者は少ないだろうしな」
あっさりとした望に少し落ち着かない満。落ち着かないのを誤魔化そうと何回か攻撃を仕掛けてはいるが全部叩き落とされて失敗。望の隙の無さに本当に何百年経っても勝てないのではと考えてしまうが頭を振り、弱気なとこを見せないように堂々と歩く。
「俺もミロルや聖蘭みたいに羽があるシャドーを使えたらよかったんだが生憎と俺は飛べないからな。車で我慢しろ」
軽く言い捨てた望が少し自慢げにとんでもなく高そうな車の前に立つ。スカしていた顔が今度は憎たらしくも見えてくる。高そうなのも当然で目の前にあるのはラン○ルギー二。満には分からない世界であろうが傷を付けてはいけない事ぐらいはわかる。望が鍵のボタンを押すと自動でドアが開く。次元が違う事に戸惑いながら目を丸く開いていると
「早く乗れ」
そう言った望はもう運転席に乗っていた。恐る恐る、助手席に乗るとドアが閉まる。
「今から東京の新宿にある魂外本部に行く。主にそこで魂外のありとあらゆる問題を任されている」
緊張で話が全く入ってきていない満。
エンジンが掛かりブォンと音を立て、ゆっくりと進み始める。
「運転に自信はある方だからそんなに緊張しなくても大丈夫だぞ」
すぐ近くにある超高速魂外有金道路に入っていく。
「待った待ったっ。車に乗らない俺でも知ってるぞっ。この道路は時速200km以上の走行しか許されてない魂外だけが使える道路だっ。お前っ何キロで移動しようとしてんだっ!!」
「だから運転には自信があるって言ったろ。舌噛むなよ」
言い終わりゲートを通った瞬間、大きなエンジン音と共に光の速さで走り出した。
満は声にならない悲鳴を上げながら掴まれるとこを必死に探し、涙目で殺してやると叫んだ。




