薄明光線
笑い出した空と
涙拭う波状雲
散らす風に乗せて
紙飛行機逸らした
一滴だけの
今、嚙み締めた喜びと
五月蠅いくらいに泣き出す
天気雨の悲しみ
朝風が呼び込む
乾いた砂と塩の匂い
冷たい岩を這って
くぐもった声で叫んでいる
光求めて彷徨う
ビルの影のツユクサ
佇んでいるベンチに
梅の花舞い散る
悔やむことが全てなのか
悲しむことが全てなのか
有り得ないだろうそんなこと
今日の空が語っている
笑い出した空と
高く舞った海鷲
そこにひとつの涙を
添えるように高鳴って
光と
ともに。