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8. キョウ人は、〇〇ってナマエの道を歩く

 アグニ・ソーマの視点


 今日も良い天気だ、変わらぬ地獄日よりに乾杯、それにしてもゾンビ多いな。みんな僕ちゃんのファン!?照れるな、えっへっへ


 皆こっちだよ、そうそう、遅れずに付いてきてね。え?足が切れてて早く歩けない?そうか、一体誰がそんな酷いことを・・・きっと犯人はこの中に居る!


 は~い、皆さんお疲れさまでした、そこでゆっくりしていってね、チョットだけ臭いと思うけど我慢してね、ではカチャっとな。う〜ん、よく燃えるな、コレが萌パート2か。それにしてもファンなのは構わないけどなかなかに熱烈だよね、一回攻撃したら一日経っても攻撃対象のままとか、ゾンビって記憶力結構あるんだね


 駄目だよ!いつまでも昨日を引きずっていたら駄目だ、明日を見上げて生きないと!足を誰かに切りつけられたのは悲しい事故だった、けれど明日を向いて前向きに生きないと!この吾輩のように!


 え?熱い?そうか、ガソリンが巻かれてるからね、そりゃ熱いだろうさ、つまり心臓が燃えている、そのハートを大事にしなよ?人間の一番の武器はその熱い魂なんだから!あ、でもゾンビって種族的には人間になるのだろうか?、DNA的には人間のはずだけど、そもそもゾンビウイルスのせいで動いてるだけだから本体はウイルス?でもそうなると私は何故に意識がある?ふむふむ、分かったぞ!すべて理解した!何もわからないということを完全に理解した!


「見つけた!」


 何!犯人を見つけたのか!?それともゾンビの遺伝学的な種族をか!?


 とまあ冗談はここまでにして、等々見つかったか、いずれは見つかるとは思ってたけど思ったより早かったな、これは吾輩の指導の賜物かな?そうだよな?赤松


「今度は逃しませんよ、あの時は騙されました、本当は意識があるんですよね、霧島さんから聴きました」


 おのれ密告屋め、吾輩の秘密をいくらで売ったんだ!


「〜〜〜」


「またゾンビのフリですか、なら噛んでください」


「のりの悪いやつだな、そんなんじゃ年末のかくし芸大会で優勝できないぞ」


「何で戻ってきてくれないんですか!?私達は今バラバラになりかけてます、あなたさえ居れば!」


「じゃあ、みんなで鬼ごっこしようぜ、俺鬼な。あ、どうせならゾンビ鬼やる?」


「確かにリスクはあります、納得できない人だって出るでしょう、でも私達には貴方が必要なんです!」


 何この会話のドッヂボール、ボケに突っ込まないどころかひたすらヘッドショット狙って来てる感じだ、霧島もそうだったけど、なんで人の話を聞いてくれないかな、ルクス君の突っ込みが恋しい


「分かった、じゃあそっちが鬼でいいよ、隠れるから10数えてね?」


「そうですか、じゃあ私だけでもリーダーに同行します」


 う〜む、なんでこう人の話を聞いてくれないんだ、吾輩のように言葉のキャッチボールをしないと駄目だよ?


 妙な同行者がついてしまったが仕方ない、勇者には仲間が付きものだものな、でも赤松(貧乳)は戦士ポジ?それとも爆弾で範囲攻撃使ったことあるし魔法使いポジ?


 ひょっとしたら、折れた腕の添え木をちゃんと当ててくれたし、パラメディックポジかもしれない、僧侶ポジ?なにそれ?回復魔法使えないんだから、医者系統に決まってるジャマイカ!?


 さて、ビルの屋上に登り今度こそ美味しい獲物がいないか確認して見る、人妻さんもショータ君も取られちゃったからな


「リーダー、やっぱり変わってないですね、そうやって生き残った人を探してるんですね」


 赤松(貧乳)が後ろからなんか言ってる、この子だいぶポジティブだな、人なやることを何でも肯定的に受け取るのは時と場所を選ばないとたまに痛い目にあっちゃうぞ?


 うーん、居ない、この辺のゾンビはさっきまとめてキャンプファイヤーにしちゃったからゾンビすら居ない、なんて寂しい町だ、こんなところに居られるか、俺は自分の部屋に戻るぞ!


 そして歩きかけたところで1つ些細な事実に気がついた、俺の足がかなり深刻なダメージを受けていたのだ


「く!俺はもう駄目だ、後で追いつく!先に行け!!」


 俺はおもむろに膝を抑える


「足、悪いんですか?」


「昔膝に矢を受けてしまってな、その古傷が開いてしまった!」


「では今晩はここで休みましょう、できれば薪とか取ってきたいんですが」


「行ってくれ!俺のことは気にするな!」


「逃げる気ですね、仕方ないですね、火が無いと少し冷えますが我慢します」


 足の様子を確認してみるとしばらくはマトモに動けそうにない、因みにダメージが何かというと、疲労と言う名のダメージだ


 え?ふざけるなって?いや〜これでも結構マジだよ?人間って歩いたり走ったりするだけでも筋肉が僅かにちぎれたりしてダメージ負うんだよ、で俺はゾンビなわけ、他のゾンビみたいに本当にゆっくりと歩いて獲物見つけたときだけ小走りになるのなら多少は持つかもだが、体力のない普通の人間程度に行動しようものなら、こうなるのは時間の問題だったんだよ、あれ?俺このまま一生歩けない!?


 いや、これは冗談だ、これは最近気づいたんだが、ゾンビにも回復力はあるみたいだ、最初に折った右腕、骨はくっついてないけどごく僅かに傷口が塞がりだしている、そして同時に腐りだしてもいる


 うん、あれだよ、治療能力自体はあるんだろうけど、栄養が足りないのか、そもそも治る前に細胞が死んじゃうんだな、HaHaHaウケる


 ともあれ、傷口はともかく足の筋肉は多少マシだから再生力が勝つかもしれない、そもそも怪我したわけではないしな


 そんな淡い期待を胸に翌日の朝が来た、さぁ今日も元気にラジオ体操行ってみよう!先ずは足を大きく上げてYの字バランスの練習!


「足、少しは良くなりました?」


「ふ、我が黄金の足にかかればハットトリックなぞ容易い、そういえばハットトリックって3点取るんだっけ?4点だっけ?」


「わかりました、今日の移動は3キロか4キロ以内に収めたいんですね、じゃあ尚更私を使ってください、荷物持ちでも何でもしますよ、何なら背負いましょうか?」


 今、何でもするって言った!


 ぐへへ好きを見てあんなことやこんなことを・・・ん〜無理かも知んない、妹みたいな後輩に欲情するのってそこそこハードル高くない?せめて幼なじみ属性が欲しいところ。あ、いや、僕ちゃん5歳設定だったからむしろ先輩?おねショタ?いや、設定じゃないよ本当だよ?


 移動距離とか決めるつもりなかったし、足のダメージは歩きづらい程度で、歩けないほどではないのだが、パシリ希望というのなら使ってあげなくもない、しばらくは足を温存できそうだ、そしてラストスパートを決める!この作戦ならこのマラソンは勝てる!


 目指すは山の麓、サバイバー的にはまず水の確保が最優先、水源にはなるべく近くないといけない、下流の水はゾンビウイルスが混じってる可能性がある、どのみち煮沸はするが、万が一を考えるとやはりなるべく水源に近いところから汲みたい訳だ


 だから霧島達は山の麓から水源にかけて要塞を作る予定で、後数日でその予定地に到着する、つまり吾輩がやるべき事は・・・


「これから毎日山を焼こうぜ!」


「分かりました、私達が要塞化を予定している場所へ行くんですね?」


「燃やすぜ!超燃やすぜ!」


 燃やす場所の選定と下準備は念入りにね、下手すると山火事になっちゃうぞ☆


「ここはコレくらいで良いですか?」


 赤松(貧乳)が邪魔な草を抜き、小さな木を切り倒し、一部だけに枯れ木を固めている


「いっかーーーん!コレではオモムキが足りない、芸術は爆発だ!」


 赤松(貧乳)は勘違いしている、そもそも俺たちがナニ仕様としてるかというと畑や要塞化予定地を焼いて土地を確保しようとしてる訳だ、道具も少ないのに時間をかけて山を切り開くなんてやってられない、だから焼いてしまおうというのだ、けど本当に全部焼いたら木材とか確保出来ない、そして赤松(貧乳)は必要な部分だけ焼いて残りを全部残そうとしている、だが素人がそんな高度なことできるわけがない、俺たちがやるべきことは、後続の人たちが来るまでに山火事を終わらせること、最低でも要塞予定地と畑予定地の火事さえ治まっていれば良い、そして木材さえ確保できればそれで良い


 つまりナニが言いたいかというと


「あの辺以外はすべて焼け!それも豪快にだ!!」


 残したい場所以外の殲滅である、焼け残せそうな場所以外を速やかに、そして盛大に燃やすのだ、多分ある程度は勝手に焼け残るから、それプラス保護した一部の場所で木材は足りる、必要なら少し遠い場所から運べばよいのだ、燃えろ!萌えろ!炎よ萌えろ!世の中のすべてを萌やし尽くすのだ!!


「ひゃっはっはっは、全て燃やし尽くしてしまえ!」


「まだ火を付けてませんよ?」


「知ってる」


「えっと?」


「全て萌えてしまえ!」


「私あっちの準備してきますね、逃げないでくださいよ?」


「我は火の神アグニの化身なるぞ!」


「もし逃げたら私の焼死体が増えますからね」


 チッ!山火事のしごと押し付けて逃げる作戦は駄目そうだな。この融通聞かない後輩はヤリそうだ


 まさかあの子がこんなことをやるなんて思ってもいました!


 あ、行っちゃった、行動の早い奴だ、この局面、最善手は・・・、イノシシを倒してレベルアップすること!そうすればきっとご都合主義的な新しいスキルを覚えられるに違いない


「イノシシさん?どこですか?」


 あ、でも待って。よく考えたらイノシシ出たら僕負けない?負ける気がする、前言撤回


「ウリ坊君いないですか?イノシシの子供くん!」


 あ、またまた待って、よくよく考えたら、ウリ坊見つけても追いつけないな、足の速さで負けてるし、再び前言撤回


「二乃君、いませんか?」


 同じ人間なら種族の性能差は五分、向こうから襲ってくるから逃げられる心配もない!後は誘い出して倒すだけ!


 あ、でもでも待って?よくよくよく考えたらPKで経験値もらえるかな?逆に下げられたりして、危ない危ない、危うく罠にかかるところだった


「そっちに痕跡は無かったか?」


 げ、この声は二乃くんの手下二号の声、どうせならルクスくんが良かったな


ここから第三部?で、予定だと四部?で終わります

物語も動き出してそのまま終わりへ向かいます

残念ながら道中でモンスター倒してレベルアップしたり能力に覚醒してパワーアップとかは無いです

むしろ主人公は弱体化してます

以上誰も読まない後書きでした


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