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7. キョウ人は、〇〇ッテなまえノミチヲ歩く



 坂牧 二乃の視点


 糞が、あのキチガイに逃げられた、何時もそうだ、奴はヘラヘラしながら安全だけはキッチリと確保しやがる


「あの、僕はどうなりますか?」


おまけにこんなめんどくさいガキまで押し付けやがった、いっそこいつを置いて奴を殺しに行くか?


「・・・はぁ」


 だが、それができりゃ苦労しねぇ、そして俺が出来ないとわかったからこそ目の前に現れた、本当に糞だな、嫌なキチガイだ


「あの・・・」


「黙れガキ、今はてめぇらの思い通りに動いてやる、だが次はねぇぞ」


 最初の任務である安全の確保はすでに終わってる、あのキチガイがゾンビの足を切ったおかげで時間はまだ余っている、俺らのため?その可能性はあるが俺達を罠に誘導しようとしてる可能性もある


 どちらが正しいかなんて誰にもわからねぇ、結局はあのキチガイを信じられるかにかかってくる。俺は絶対に信じねぇ。あいつはあの時俺に言いやがったんだ、あの時の奴の目を俺は忘れない


「帰りましょう、二乃さん」


 ルクスの奴が帰路を急かす、そうだろうな、どのみち今できることはもうない


「ふん、帰るぞ」


 バリケードとその側に作られた簡単な門を抜けて先ずは体を洗う、何度も使い、濁った水を煮沸して使うから気持ち悪いが仕方ねえ


 次に新しい衣服に着替えて一息入れる、酒でもありゃいいんだかな


 それが済んだらギルドマスターとかいう意味不明な役職の霧島に会いに行かなきゃならねぇ、ウザイことこの上ない


「報告は以上だ、報告書にするか?」


「そこまではしなくて良い、紙は貴重だし、持っていくにも嵩張る」


「だろうな、もう行くぜ」


 胸くそが悪い、こんな日は決まってあの夢を見るのが分かりきってるだけに尚更だ、腸が煮えくり返りそうになる、それでも眠気に抗えないこの体が恨めしい、いっそゾンビにでもなれば、何も考えなくてすむ・・・いや、あのキチガイの例もある。最悪だ、糞が・・・


 体を横にすると途端に眠気に襲われる、そりゃそうだろうさ、何しろ一昨日からの徹夜だ、せめて昨日眠れてりゃ良かったが、昨日はやることが山ほどあった、ようやくできた自由時間にキチガイ探したらおちょくられてしまいとはな・・・駄目だ、眠い・・・




 何かが暗闇で音を立てている、妙に暗い、そんな中で時にグチャっと、時にバキっと音を立てながらソレは無心で手に持った斧を振り下ろし続けていた


「ひっ・・・」


「ぁぁぁぁ」


「おぇ」


 そんな悲鳴が周りから聞こえる、反応は様々だが、共通してるのは誰も大声を出さないことだ、皆が皆、眼の前にいる一人の男に心の底から怯えている、大声を出してその男の注意を引きたくない、まして男の足元の仲間入りには絶対になりたくない


 そう、足元だ、男の足元では今もうめき声を上げている物がたくさん居る、男はマスクをつけてるが、そんなものがあってもよくわかるほど無表情に淡々と斧を振り下ろし続けている


 誰も死にたくははない、ましてあんなふうに無情に斧で殺されるなんてゴメンだ、そんな事にほならないと頭では分かっている、それでもこの光景は直視出来ないほど凄惨なものだった


「落ち着いてください、アレはすべてゾンビです、完全に殺すことが出来ないから、ああやって動けないようにしてるだけです」


 ゾンビの山の周りで男の仲間が何度目かの説明を行っている、ソレは、分かっている、だが無理だ!落ち着けだって?アレを目の前にして冷静でいろだって!?アレは今も人の形をしたものを淡々と壊してるんだぞ、奴が頭のイカレタサディストなら分かる、人の痛みを無視できる自分しか大事にしないクズでも分かる、でも奴は違う、悲鳴も臓物も奴の心になんの影響も与えてない、気持ち悪いのを我慢するでもなく、楽しんですらいない、まるで物を壊してるみたいに淡々とゾンビを破壊していった


 アレは人間じゃない、見ただけでわかる、人の形をした何か別も生き物だ、そんな生き物が斧を振り下ろし、今も俺たちの生殺与奪を握っている、落ち着けるわけがない


「ふぅ、こんなもんか」


 アレがゾンビの山から、降りながらそう言った、マスクを外した場所にあったのは俺とそう変わらない年齢の男の顔、ソイツはポケットに手を入れ、あろうことがこの状況でお菓子を食べ始めた


「う・・・おぇ・・・」


 周囲で吐く人が続出する、俺もこみ上げる吐き気を抑えるだけで精一杯だ、やつの後ろでは今もゾンビ共が唸り声を上げている、巻き散らかされた臓物、おびただしい血液、腐臭、それらをまるで存在しないかのように無視、それどころか我慢する様子すら見せないソイツは今もお菓子を食べながら『美味しい』と抜かしやがった、手足等を切り落とし安全さえ確保したなら唸り声はどうでも良いってのか!?あの顔が見えないのか!?声が聞こえないのか!?


「あ、食べる?」


 ソイツの口から音がした。『ア、タベル?』喋ったのか?こいつは何をしている?何を言った?もしかして食べるかどうか俺に訪ねたのか?コイツは何を言っている?コイツの頭の中はどうなってる!?やめろ、不思議そうな顔をするな!コイツは俺たちのこと・・・いや、人間の事が理解できていない!止めろ!来るな!近づくな!


「止めろ!!糞、夢か・・・」


 予想通りだ。糞、最悪の気分だ、冷や汗が止まらねぇ、あのキチガイは確かに昔も今も人助けをし続けている、これからも変わらず人助けとやらを続けるだろうな、それは疑ってねぇ


 それでもなお、俺はやつを殺す事が正しいと信じてる、奴は人間じゃない、その違いは遠くない未来に必ず人間にとって致命的なものになる、俺にはその確信がある、奴は必ず俺が殺す、殺して見せる


短いですがきりが良いところで終わろうとするとこうなりました

ここまでが第二部?で次から第三部?ですね

まぁ、そもそも部で分ける必要ないだろと言われたらそのとおりなんですが

以上、誰も読まない後書きでした

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