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4. 狂人ハテナまえノみちを歩く

 とは言っても俺は家に帰る前にコンビニで道草食うようなお行儀が悪いことはしない、そもそも、お店はどこも閉店セールやったせいで品薄なんよな


 故に俺が選ぶのはココ!


 俺が入ったのは庭が狭くて普通の民家、門をくぐり、中途半端に閉める、お行儀悪くてゴメンな、だって完全に締めたら脱出するときに困るし、開けっ放しは家の人に悪い、だから折衷案としてこれが俺に譲歩できる限界なんだ!


 なんの変哲もない民家!に見えるだろう?実はココは隠れた名店なのさ


 うん何も無かった、仕方ない、こんな日もあるさ次の名店に期待しよう、次は某ランキングで四つ星を獲得したあのお店!


 翌日に探し当てたのは大きくもなく小さくもない家


 あった、あった。よしよしなかなか良いじゃないか流石だ、良いもの使ってるな。え?なにがあるのかって?見ての通り草だよ。草生えるなw


 いや冗談じゃなくて本当に美味しいんだぜ?ここに来るまでに食べたのなんてその辺に生えたタンポポくらいだよ。道草とお家の草ではやはり素材が違うね!


 ふむ、ニラ美味しい、それにタンポポもあるし、まだ塾して無いけどプチトマトまで植えてある。こういうのはスルーされやすいんよな、時間が経てばまた生えてくることもあるしな、美味い旨い


 でも足りない、だって俺は今育ち盛りだもん、それに見てよこの腕、骨が折れてるんだよ?いっぱい食べなきゃ!


 ゲップ、さて、次は・・・


「誰だ?」


 俺の問いかけに答える声はない。そもそも俺の周りではただの一つも足音は無かった。だが俺には分かる!そこに誰かいる!?


「隠れたって無駄だぞ?出てきたらどうだ」


 しかし出てくる様子はない、しかし確実にそこにいる、答えない以上敵だと仮定して進めるのが鉄則。コレからは敵のことをイマジナリーエネミーと呼称しよう


「フン、俺について来れるかな?」


 何を隠そう俺の速力は百メートルを十秒フラット・・・+αで走り切るほどの俊足、付いてこられるわけがない!


 そして軽く走り、道を曲がる。更に進み右へ左へ交互に曲がりながら進む、しかしなぜか後ろのやつが離される様子はない


「はぁ、はぁ、やるじゃないか」


 しかし、これならどうかな?


 俺は右に曲がってすぐにタンポポを地面に巻く、そしてさらに左に曲がる・・・ように見せかけてすぐさま元の道へ戻る。タンポポにつられて避けるなり注目するなりして深読みした馬鹿がそこに突っ立って・・・居なかった


「ふ、今回はお前の勝ちだ」


「いや、何やってるんだお前」


「何!後ろを取られた!?」


 俺の後ろから話しかけてきたのは霧島・卓也、同じグループの中でもなんとヒエラルキードップのギルドマスターだ!ヤバい消される!?


「赤松からお前を見たって聞いてな。まさかと思ってけど本当だったのか」


「やめて乱暴する気でしょ!?あの本のように、あの本のように!?」


「で?今は何やってるんだ?とりあえず戻ってこいよ」


「嫌よ!貴方との事はもう終わったことなの!私は新しい人生を生きていくの!」


「あ〜、とりあえず飯いるか?」


「やめて!私に優しくしないで!」


 あ、いただきます。もぐもぐ、焼き芋美味しい


「赤松がお前を捕まえようと躍起になってるぞ、せめて声くらいかけてやれよ」


「無理よ、だって私はもう汚れてしまった、もう戻れないわ!」


 あ!芋虫発見モグモグこいつめ、ひとの焼き芋の中に入り込むなんていけないやつだ!ムシャムシャしてやる!


「はぁ、分かった。じゃあこれ持っとけ」


「もので釣られるほど安い女じゃないのよ!」


 言いながら手を差し出すと普通にもらえた、何この人優しい!わーい、貰っとこう


 この世で最も価値があるものの1つが情報、トランシーバーという離れたところから情報を得る手段は貴重だ、パンデミック前で言う高級外車くらいの価値がある。たとえギルドマスターといえどそう簡単に手に入るものではない


「後な、分かってるだろうが俺らだって一枚岩じゃない。だからこそ赤松はお前を助けるために必死にお前を捕まえようとしてるんだ。けど二乃のグループはそうじゃない、お前を殺そうとしてるぞ?」


「ふ、それが俺の宿命というのなら受け入れよう」


「せめて銃かナイフでももっとくか?つーか面倒くさいからそろそろ普通に話してくれないか?」


 むぅ、ノリの悪いやつだ、仕方ないな、少しだけ真面目さんを呼んでやろう、真面目さんログイン!


「真面目に言うと、ナイフは要らない、爪切りひろったから、これ研いでナイフ代わりにする、銃はもっと要らない、俺が持っても危険すぎて警戒されるだけだからな。あとな、俺はもうゾンビなんだ。今はまだ意識があるけど、次の瞬間意識がなくなるかもしれない、うっかり仲間を感染させるかもしれない、それに人間のグループにゾンビが交じるなんて納得するやつはあまりいないだろ」


「だから狂ったフリやゾンビのフリして俺らの事を助けるつもりか?殺されるぞ?お前が進もうとしてるのは茨の道だ」


「俺の進む道に名前なんて無いよ、目の前にある道をただ進むだけだ。この結果もし殺されるとしてもその時は仕方ない、死ぬ寸前まで仲間を助けられるように頑張ってみるさ、仲間に殺される程度で仲間を裏切るほど俺は薄情じゃない。芋、ありがとな助かったよ、ソウルブラザー!」


 はい、真面目さんログアウト


「その呼び方はやめないか?そのせいで仲間内でオレたちが親友だと思われてるんだよ」


「そんな!親友だと思ってたのは俺だけだったのか!?いや・・・いいさ、俺にとってはお前は親友だ!お前がなんと言おうとも!」


「まぁ、なんかあったら連絡しろよ?家族なんだから」


「そうだな、血の繋がりなんて関係ない、俺たちは家族だ!」


「いや、繋がってるから、DNA同じだから」


「そう!同じ目標を持つ限り俺達はずっと一緒だ!」


「そういや、なんでオレだとわかった?足音も立ててないはずだ」


 真面目さん再度ログイン!


「前にも言ったけど門とかドアを通るときは音を出さないようにだけじゃなく音を消さないようにしないと」


 門というのは物によってはまるで鉄や木のドアみたいになってる物もある、実はそういう門は結構音を遮断する、だから門を人が一人分ギリギリ通れる隙間を残しておくと、そこを通る人のせいでわずかに音が遮断される


「ソータお得意の、無いものに気づく理論か」


 音が出るならそれに気づくのは簡単だ、そこにあるのならそれが小石程度の大きさでも簡単に気づける、でも小石がなくなったことに気づくのは難しい、ましてや音となればコツがいる


「そんであれだけ静かに近づけるのは多分卓也くらいだろうって感じだな」


「分かった。一応これからの予定だが、前と変わらん。お前も知ってる通りの針路を通って山に向かう、そこで陣地作成と畑作りだ、そろそろ行くが・・・死ぬなよ」


「わかってるさ・・・じゃあまたヴァルハラで会おう」


 真面目さんログアウト!


「死ぬなっつってんだろ」


「人は死ぬのさ!誰だってその運命は変えられない。そしてお前にも死の呪いがかかっているのさ!俺は予言する!お前は死ぬ、確実にな!徐々に歩けなくなり、体力が落ち、食事をしても栄養を吸収できなくなる、そして弱って、最後には愛するものに見守られながら死ぬのさ」


「はいはい、老衰な、それまで頑張るよ」


「ではサラダバー!」


「あぁ、またな・・・」


 去りゆく卓也、と手に残るトランシーバー、いやはや、なんとも実りある出会いであった・・・元気そうだな・・・死なない・・・よな・・・あぁ、死にたくねぇな、もう一度あそこにか・・・そんな事が出来たらな・・・あぁ・・・あい・・・きゃん・・・ポジティブ!


 なんか湿っぽくなったな、我ながら情けない。この際だ、上を向いて歩いて行こう、溢れる涙は出ないけど、もっと大事ななにかが零れそうだ


狂人は、〇〇って名前の道を歩く

狂人は、てな前の道を歩く

狂人ハテナ前の道歩く

狂人?前の道を歩く

っというサブタイトルをタイトル回収して一段落です、第一部?が終了です

第四話まで読んでる人がいるのかわからない上に続き読みたい人がいるとは思えないですが、もうちょい続きます

以上誰も読まない後書きでした

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― 新着の感想 ―
[一言] サブタイトルそういう意味か どう物語を転がすかわからなかったから読んでみてますが… なるほど、読めん
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