表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫雲のカグラ  作者: 天城なぎさ
第十話 強さと弱さ
91/102

第十話 一

 かのんさんもいる今、この場所で、あの話をしよう。

 七将が現れた、あの件を。


「かのんさんにも、もちろん二人にも、聞いて欲しい話があります」

『何だ?』

「まさか、彼氏ができたとか!? お兄は、許しません!」

「違うよ。お兄は、黙って」

「うぅ。お兄は、寂しい!」


 はいはい。お兄がいると、話が進まなくなる。

 これから大事な話なのに、空気を読め。


「もしかして、今日の五時間目の?」

「そうです。実は、今日の昼休みにも、空木君とともに、霊魔の襲撃に遭いました。場所は、屋上。いつもの襲撃です」

「昼休みと五時間目で、何かあったのか?」

「昼休みの襲撃では、幻覚と夢幻のダブルパンチ。空木君は無事でした。私は、結界に閉じ込められました」

『幻覚と夢幻。それに結界までとは。並の霊魔では、あり得ない話だ』


 そう。並の霊魔に、幻覚、夢幻、結界の、同時攻撃は出来ない。

 かなりの邪気がない限り、それは不可能となる。


「結論を言います。七将が現れました。正体が判明したのは、五時間目のことです」


 風吹さんとお兄の表情が、強ばったように感じた。それは無理もない。七将とは因縁があるのだから。


「まさか、そんなはず……っ。風吹さん!」

『名前は? 一人だけか?』

「現れた七将は、一人だけ。名前は炎蛇」


 更に強ばる表情。かのんさんは、バッグの中から、何枚もの葉書サイズの和紙を取り出した。


「七将と聞いて。曽祖父より受け継いだ、こちらをご覧ください」


 それらは、陣が画かれたもので、陣の周りには、草書体の文字が書かれている。


『これらは、一体何だ?』

「これらは、東雲家最後の術師、東雲成松(なりまつ)が遺したとされる、呪怨霊主ならびに、七将封印の陣です」

『聞いたことがないな』

「嘘か真か、誰も分かりません」

『嘘か真か……。これらの陣を、少し調べてみたい。預かっても良いか?』

「はい。東雲家当主としても、真実を知りたいです」


 風吹さんは、陣の描かれた和紙を受け取ると、まじまじと見入ってしまった。


『成松が遺したか。ほほぅ』


 これは、話し掛けたとしても、多分聞いてもらえないだろうな。

 しかもこんな時に、嫌な気配が。


「かのんちゃん、この後…………。出たな」

「出たね。かのんさんは、ここにいてください。お兄、行くよ」

「へいへい。風吹さん、留守番よろしくです」

『この陣は、面白いな。まったく。面白い男だ』


 風吹さん、聞いてないよ。まぁ、ほっといても大丈夫だろうけど。

 それより、早く行かなきゃ。どこかで誰かが襲われてたら、一大事だから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ