表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫雲のカグラ  作者: 天城なぎさ
第七話 アイネクライネナハトムジーク
69/102

第七話 九

「そもそも。どうして、こんなにいるんだよ」

『この神社は、霊魔の長が封じられていた場所。必然的に霊魔が湧いてしまうのです』

「ここ!? こんな近くにいたの!?」

『はい。ご存知かと思っておりました』

「知らなかった」


 初耳情報。月夜神社に封じられていたなんて。こんな近くにいたのに、気づかなかった。


『ギャギギギギャア!』

『ギャアギギギ!』


 俺たちに気づいたらしく、一斉に向かってきた、霊魔集団。ここは、使える術で挑むしかない!


『行きますよ、朔殿!』

「死ぬなよ、星蘭!」

『お互い様です!』


 多勢に無勢とはこの事だろう。今の俺は、星蘭にとって足手纏いだ。だけど、紫雲さんたちがいない今、退治出来るのは、俺しかいない。


「火術、火炎!」


 (ほとばし)る炎。一体の霊魔を炎が包み込む。霊魔の姿が消えないから、核の破壊は出来ていない。


『ギャギギギギャア!』

「火術、烈火!」


 ダメ元で振りかざした扇。ガシっと、捕まれてしまった。


「お前の核は、掌だろ! 残念だったなぁ! 火術、烈火! うぉぉぉお!」


 グググと、俺と霊魔の攻防。先ずは一体。倒さなければ。


『ギャギギギギャア!』

「俺が、倒すんだぁ!」


 パリン! ガラスが割れるような音が、帳の中に響き渡った。霊魔の姿は、溶けたように消えていく。


「やった。やった!」

『朔殿、まだ終わってはいませんよ!』

「ごめん! おわっ!」


 浮かれていても、ここは帳の中。まだ霊魔が残っているから、ここは戦場。


『朔殿、木術は使えますか?』

「木術? やったことないけど」

『そうですか……』

「えっ、何? おっと。火術、烈火!」

『ツカエルヨウニナッテクダサイネ』


 最後の言葉は、片言だったような? 星蘭を失望させてしまったかも。


「やってみるか。木術」

『ギギギャア!』

「木術、飛葉(ひよう)!」


 扇から真っ直ぐ、勢いよく出てきた木葉たち。五体程の霊魔を、翻弄している。


『使えてますよ! さあ、ここから花舞(かぶ)を!』

「花舞ね。分かった。木術、花舞!」


 木葉たちが、開花したばかりの、白く綺麗な花へと変わり、霊魔のそれぞれの核だろう。突き刺さっている。

 この後どうなるのか、俺は知らない。


「ど、どうなるん?」

『見ててください』


 見ていると、霊魔たちは次々倒れていく。すると、白かった花が黒く変わって、核が破壊された音が。これで、出現した霊魔の退治完了。


『花舞は、核の負の感情を吸い、破壊する術です。黒くなった花は灰の如く消え、霊魔も消えます』

「なんか、こういう花、アニメで視たよ」

『初めて、お一人で退治出来ましたね。お身体、まだ痛むのでしょう? ゆっくり休めてくださいね』

「ありがとう。星蘭。星蘭がいなかったら、俺は殺られてた」

『帰りましょう。さあ、お乗りください』


 帳が上がったのを確認して、星蘭の背中に乗って、神社を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ