表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫雲のカグラ  作者: 天城なぎさ
第六話 幻覚からの脱出
60/102

第六話 結

「お待たせしました~。ウーロン茶二つと、チャーシュー麺と味噌ラーメンです。ごゆっくりどうぞ~」


 運ばれてきた、ウーロン茶とラーメンたち。この後、竜也は、泣き崩れてしまい、しばらくは食べないはず。


「なんかさ、失恋したのが初めてで、このモヤモヤした気持ちが、何なのか分かんねぇけど、俺は、七海さんが好きだ」

「気持ちに、正直になった?」

「たとえ、結婚されても、俺は七海さんを好きでいたい」

「それは、良かった。落ち着いてるようで、なにより」


 幻覚の時とは大違いだ。呪いとなってしまった、失恋の感情が、竜也を支配していたんだろう。


「朔は、紫雲さんとどうなんだよ」

「どうって?」

「いつも一緒にいるじゃん。付き合ってる説、周りで増えてるけど」

「グフッ! えっ、何で? ゴホッゴホッ!」


 チャーシュー麺を食っている最中に、それはやめろ。呪いは祓われ、幻覚は解かれただろうが!


「で、付き合ってんの?」

「友人。異性の友人がいたって、誰も文句は言わないだろ」

「呪われないのか?」

「紫雲さんは、人を呪うような、邪悪な人じゃない。そもそも、霊魔に襲われたって、時戻しで……」


 おっと、いけないいけない。これ以上は、竜也には教えられないことだ。


「とき、何?」

「何でもない。チャーハン追加していい?」

「どうぞ」

「すみませーん。チャーハン追加で!」

「食欲旺盛だな。朔は」

「いつも通りだろ?」


 幻覚で見た内容と、現在の状況が違うということは、この後のゲーセンでも、カラオケでも、霊魔は現れないはず。


「夢の中だったか、忘れたんだけどさ。朔が『失恋は次の恋への、寄り道』って言ってたんだよ。朔に言われたのが、なんか悔しい」

「悪かったな。夢の中の俺が、そんなこと言って」

「悔しいけど、感謝してる。気持ちに正直になれたのは、朔の言葉があったから」


 面と向かって言われると、恥ずかしい。あの言葉は、姉ちゃんの受け売りだし、呪いを祓うために言った言葉。


「感謝されるような言葉を、言ってはいない。でも、感謝されてるなら、餃子頼んでいい? あと、ウーロン茶おかわり」

「俺の奢りだからって、食いすぎだぞ。朔」

「ゴチになります! 竜也さん!」

「仕方ないか」


 何回も繰り返した一日を、これで終われる。この後はカラオケにでも行こうか。日頃溜まったストレスの発散をするために!


「ラーメン食った後、カラオケとゲーセン、どっちにする?」

「もちろん、カラオケだろ。ゲーセンだと、竜也に負けまくる俺が、想像できるし」

「じゃあ、ゲーセンだな。ボコボコにしてやるよ」

「カラオケって言っただろうが! 好き好んでゲーセンとは言ってない!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ