第四話 三
『正解は! 鳥の羽根でした! まさかの正解者ゼロ!』
司会者の高揚した声。食い入るようにテレビの画面に夢中。
「マジでぇ!? 姉ちゃん、知ってた?!」
「前に何かで言ってた。だから知ってたのだよ!」
「鳥って、何が使われてんの?」
「確か、アヒルだったかな。オリンピックとか世界大会になると、ダチョウの羽根が使われてるらしいよ」
アヒルか。ん? だとしたら、羽根を取られたアヒルはどうなるんだ?
「だとしたらさ。羽根を取られたアヒルは、どうなるん?」
「そんなの、北京ダックでしょ。羽根を取られるだけなんて、可哀想。望さんなら、食べる!」
「北京ダックになるんだ……。今度から、シャトルを見る度に思うよ。北京ダックって」
「北京ダックを見たら思うよ。このアヒルは、羽をシャトルに使われたんだって 」
シャトルとなったアヒルたちに、思いを馳せる空木姉弟なのだった。なんてね。
「お待たせしました。タレカツ丼と、トンカツ定食です」
「おいしそ~! 香楽ちゃん、ありがと!」
「紫雲さん。休憩はいつ頃?」
「二時になるかな。術のことだよね?」
流石、紫雲さん。まだ何も言ってないのに、用件が分かるなんて。
でも二時なら、まだまだ時間があるな。
「ゆっくりしてて。兄と風吹さんでお店まわせそうなら、食べ終わってからでも良いよ」
「お店の迷惑になりそうだから、待ってる。だけど、時間が……」
「どうしようかな。上にいる?」
「お邪魔するわけには……。姉ちゃんもいるし」
うーん。二人とも答えが出ない。その前に、正解があるのかも、分からない。
「フフフ。君たち、この近くには何があるか、分かっていないようだね」
「何かあったっけ? 時間潰せるようなとこ」
「君たち、行かないか。ゲーセンが、この近くにあることを、知らなかったようだね」
「ゲーセンでしたか。私は時々行きますよ」
「マジで!? そんなイメージなかった。俺も行くけど、考えの中に入れてなかった」
まさかのゲーセン。日曜だから、絶対混んでると思うけど、他に選択肢があるわけじゃないし。
「それかカラオケもあるよね。少し離れるけどさ、よく晴斗君と行ったなぁ」
「んじゃ、早く食べて行こう。日曜だと混むでしょ」
「仕方ない。トンカツを食べてあげよう!」
「トンカツは俺のもの! 姉ちゃんタレかつ食べてんじゃん!」
姉ちゃんに取られる前に食べてしまわねば。二時までゲーセンで遊びまくるんだから!
「仲が良い姉弟だね。空木君」
「姉ちゃんが昼間っから飲んでるから、酔っぱらってて。変な絡みしかしてこないだけ」
「それでも仲良いと思うよ。ウチなんてシスコンだから、絡みがウザい」
「晴斗さん、妹思いなんだと思う」




