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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゾンビから世界を救った国

作者: セロリア

ここは異世界。


空を飛ぶ島。


妖精、ドラゴン、魔法使い、勇者、魔獣が存在する世界。


結界術士が世界最強だと言われていた。


空間自体を操れる結界術士は、武器も、防御、食料大量保存も思いのままだったから。


だけどー・・。


奴らが現れた。


そしてどんどん感染は広がっていって、最終的には、各国が大規模魔法を使用し、自分の国民ごと灰にするしかなかった。


が、それでも、まだまだ大規模魔法が足りなかった。



結界術士は切れる結界を広大には造れなかった。


従って、国ごとの民がゾンビ化をした現在、結界を張るしか生き残る手段はなく、シェルターを造り、そこで結界術士がリーダーとなり、何とか暮らしていた。


数の暴力、走る、跳びかかってくるゾンビの波は、凄い筋力で走り、登る。


魔法を連発し、疲れ、波に呑まれていく。


バッタの群れが引き起こす蝗害、その比ではない威力と言えば解りやすいだろう。


武器造りに長けた民族、ドワーフ族。


そのドワーフ族が98%を占める国、エルクバンドラ。


その国は大国だ。


その広大な土地にも関わらず、爆弾、切れる糸、鉄砲、自動ガトリング台座、ウイルス対策防護衣を使い、一匹足りとも国境門を通らせなかった。


あらゆる国がエルクバンドラに避難しようとしたが、これを国王、政治家達は固く拒否。


固く門は閉ざされ、空からの侵入、海からの侵入もレーザーの網により残酷に切られた。



そして、空を飛ぶUFOを造り、反重力装置で造ったミニビッグバンを起こす爆弾を作製。


あらゆる国へ爆弾を撒き、起爆。


その威力は核とは比較にならなかったし、放射能も無い。


あらかた片付いた後で、復興、救出支援舞台が送られた。


ドローン部隊が大量に散布された後の、2ヵ月後だった。


あらゆる国は空の島、海の船団でいざこざが起こり自滅していた。


それでも、統治が巧くいった船団、空島もあった。


そこに食料、水、女性特有の必要物資が投下された。


エルクバンドラの国旗が描かれている箱を見た人々は我々を見捨てた国のやつか!受けとるのか!?と、いざこざ。


しかし、腹は減る、女性はお腹が痛くなる、子供は塩分が無く、軽く足が上がらなくなってきている。


一人が我慢出来ずに箱に駆け寄ると、後は人々の波が箱に押し寄せた。


箱には書類が入った封筒が。


それぞれ生き残った団体リーダーに渡された。


内容。


陸の消毒は任されたし、それまでそのまま、その定位置で耐えられよ、我々を手伝う必要はない、勇者の手さえも必要無し、理由は力がある者がゾンビ化したら手に負えないからである、大規模爆弾を使う事もまたあるかもしれない、その威力は貴君らも見た筈、巻き添え等、我々は考慮しない、繰り返す、巻き添え等我々は考慮しない、例えエルクバンドラ自国民だろうとも。


この壮絶な危機を貴君らは後少しで乗り越える。


我々は貴君らの領域に感染者が出ない限り友であり続ける。


一人の感染でさえ致命的である、貴君らを我々は滅ぼさねばならなくなる。


必要物質は引き続き投下を続ける。


どうか、待機という英断を期待する。


私は国王、モードン・ソラ・リテラシラ・アッサ・エルクバンドラである。


以上。


海の船団、勇者はこの手紙を見た瞬間激昂し、暴れた。


そして小さな船で誰しもが止めたにも関わらず、女パーティー達と一緒に陸へ行ってしまった。


勇者「舐めやがって!」










2時間後。



勇者「う、嘘だ・・こ、こんな・・」


力あるA、S、SS、SSS、OO、OOOランクパーティーは魔法を使い生き残っていた。


ゾンビとなって。


そう、一滴の返り血を浴びずに闘い続ける事なんて不可能だったのだ。


大規模魔法、強力な疲れ知らずの剣、槍、弓矢攻撃に勇者一行は手も足も出ずにやられ、ゾンビ化。


それを上空UFO望遠レンズで見ていたモードン国王は直ちに最大火力を使用許可。


今度は、ミニビッグバンを少し『濃く』したモノだった。


超高度UFOからミサイルが発射された。


まず、ミニビッグバンのミサイルを時間差3発。


そして、最後、4発目、濃くしたモノを発射。


UFOは急いで離れた。


一発目、何か来たと察知した魔法使いが大規模シールド展開。


爆風、熱に耐える。


続く2発目爆発、まだまだ耐える。


流石に魔力が無くなる。


3発目。


パーティーだった記憶からか、皆の魔力を魔法使いに分けるゾンビ達。


そのお陰で何とか耐えた。


4発目。


爆発。


ゾンビ皆気合いを入れ、多重シールド展開。


土地ごと一瞬で蒸発、海抜が低くなり大穴に海水がなだれ込む。


小さな国5つあった土地は海に消えた。



そして、生き残っていた全ての人々はドローンでこの映像を見ていた。



ドワーフは最強の民族であった。


改めて思い知る武器造りの才能の塊遺伝子。


ドローンから音声が流れる。


ドローン「すまない、勇者の魔力を考えたら世界を救うにはああするしかなかった、本当にすまない」


人々が次第に拍手をしていく。


ドローン「引き続き物資を投下する、受け取ってくれ」




復興をしていく最中で、エルクバンドラは領土を広げることはしなかった。


既にエルクバンドラは人口調整に成功していたのだ。


モードン国王「後の土地は我々が裁判し、より平等に種族別に分け、一つの国は種族混合共和国を造る、皆の衆、新たな時代の到来ぞ!」


皆『ウオオオオオオオオ!!!』











20年後。


モードン国王は大量の医療器具、モニターに繋がれていた。


モードン国王「ワシも年だな・・」


次期国王「またまた、まだまだ現役でやって貰わねば困りますぞ?」


モードン国王「・・なあ、ミルバドムよ」


ミルバドム「はは」


モードン国王「世界人口削減計画の第二は、進んでるか?」


ミルバドム「は、着実に」


モードン国王「・・はあ・・魔王、勇者が争い、戦っても、食べるモノが似ているのではなあ・・両方増えたら意味を成さんじゃないか、のう?ミルバドムよ」


ミルバドム「は!」


モードン国王「魔力量に限りがある以上、真に世界、この星を救えるのは我々エルクバンドラ国しかおらん、我々エルクバンドラ国は人口調整を行っているというのに、他国は増やすばかりゴホゴホ、ゲッホ!・・・・はあ・・」


ミルバドム「・・」


モードン国王「ワシは・・悪魔か?」


ミルバドムは国王の手を握った。


ミルバドム「断じて!断じて!!」


モードン国王「ならば他国の改善が見られない場合、後40年から60年の間に、第二発動を・・命ずる・・よいな?」


ミルバドム「はは!」


モードン国王「そなたに・・まかせ・・た・・」


《ピーーーーーーーーー》


ミルバドムのむせる泣き声が雪が積もる夜に消えていく。






60年後。



ミルバドム国王の死後、引き継いだ第56第国王、エリクトファ国王が演説。


エリクトファ国王「~であるからして!世界人口を減らさなくては、魔物が減り、水が減り、ダンジョンが無くなり、やがて人系の魔物がまず減り、やがては人間も消えて、世界は生物が何もいない星になってしまうでしょう!それは魔力こそが、この星の生物達の大元だからです!このまま世界の魔力を消費してしまえば、本当にそうなってしまうのです!我々は何としても!この問題を直視し、解いて行かねばならないのです!」


国連議会での演説。


しかし、科学が発展し、危機感を持っているエルクバンドラとは違い、他国は怪訝な顔をするばかり。


科学的に説明をしてもやはり理解はしても、危機感が足りない。



モードン国王の死から65年。


5年待ったが、他国の改善は見られない。


星の魔力観測データがレッドラインを越えれば星自らの修復は不可能。


モニター、カウントダウンの日数は残り100日を切った。


エルクバンドラ国王、エリクトファ・ニル・ラコタ・エルクバンドラは決断を迫られた。


軍、秘書「ご決断を陛下」


次期国王マーテル「陛下、私の意志は変わりませぬ」


エリクトファ国王「・・第二のレッドを許可する、直ちに実行せよ!繰り返す!」


立ち上がった。


エリクトファ国王「直ちにレッドを執行!この星を枯れさせるな!」


軍、最高司令官「アイマン!司令、確認中、生体、音声、全て確認完了、任務確認完了、レッド執行!繰り返す、レッド執行!」


人間達の国に飛来する沢山の小さい小さいカプセルが閉じられた雹。


子供達がはしゃぐ。


雹を木にぶつけ、遊ぶ。


空気感染。



子供1「は、は、はっくし!んんーズビー 《ドックンドックン》は!?は、はぐ!?ぐぐ!?あ、あか、か、か、かきへ」


立ったまま痙攣。


子供2「はあ?おい?どした?おいって!《ガブ》 え?」


子供1が子供2に襲い掛かり、首を噛み千切る。


どんどん拡大していく。


エリクトファ国王「神よ・・許したまえ!許したまえ・・えぐ、許した・・まえ・・ひぐ・・ゆる・・まえ・・う、うう・・ゆる・・え・・ゆる」


秘書、次期国王が背中をさする。


エリクトファ国王「嫌な役目だ、なんという嫌な役目なのだ・・」


無人潜水艦隊が各地に発艦。


撲滅に備え、各地に待機。


エリクトファ国王「我々は説得に尽力した、この結果はそなたらが受け入れたモノだ、そなたらが!受け入れたモノだ!」


モニターを睨み付ける瞳は、覚悟の意志が確かに燃えていた。


子供達『あ、ああうアア』




《END》



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