四作目『空を飛ばなくなったペンギンのお話』
ペンギンがなぜ白と黒なのか知っているか?
それはなッ、上から見ると海と同化できるように黒く、下から見ると空と同化できるように白なんだぜ?
ペンギンがなぜ飛べないか知っているか?
それはなッ、飛べるペンギンがいなくなっただけのことさ。
もっと言えばペンギンにとって
手なのか翼なのかを意識する必要があるぜ。
手だと思ったペンギンは飛べないペンギンだ!
かくいう俺も昔は海の上を飛んだものさ。
そりゃ~魚だって飛べるんだペンギンが飛べないわけがないだろうさ。
実際にあの羽のついた魚と空中合戦をして飛距離を競ったものさ。
そうこうしているうちに完全に飛べるようになるのだがね。
飛び立てるようになった私は群れから離れ一人で旅に出た。
なぜかって?
飛べるようになったことを誰も信じようとしないからさ。
空を飛べるようになったペンギンの宿命なのかもな。
まぁ一人旅も悪くない。
氷の土地から離れたためかこっちの海は暑いな。
たまには水浴びをしないと溶けちまいそうだぜっ。
でもまぁ~ペンギンは優秀だからな、すぐに順応していくのさ。
しかし、世界ってのはすごいな。
砂の海を見つけたぜ。
熱くてザラザラだけどな。
獲物が少ないのが難点かな?
……泳ぎにくいし。
でも、このハサミと尻尾を持ってる奴が絶妙に旨い!
スパイスが半端なくてしびれるぜ~!!
決めた、ここに住もう。
ちょっくらここに仲間を呼び寄せるか。
そう思って俺は何度も空を飛び卵を運んだ。
数回目にもちろんバレて、部族から追いかけられ、傷つき俺は命からがら逃げ出した。
バレテーラ♪
住みかに戻った頃には飛べなくなっていた。
翼がやられちまったのか……生活には支障はない。
しかし、こちらには張り合う魚がいない。
子供たちに新しく教える術がないな……。
これからは地に足をつけて武道を身に付けるとするか。
そうなると挨拶は大事だな! なにせ新参者だからな♪
その後、俺たちは新天地でサンドペンギンと呼ばれるようになる。
呼び名の理由?
そりゃ~決まっているぜ!
俺たちが三度挨拶するからさ!!!
武道の基本は三度の挨拶と二礼だ。
勝手なペンギンの主観です。
※事実とは異なります。
こちらのペンギンさんは別日記にて登場予定です。
姫さまと私の叶えたい夢日記~村(仮)始めました~
ババカズコワールドもご覧くださいね♪
登場は↓
『第一章 馬場和子の別世界日誌~村始めました~』
開始後まもなくです♪