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草むらの中を1人歩く
『…………ここら辺か?』
エルヴィスはあたりを見渡すが、周りには木と草ばかり。
あの酒場のじじいが言ったことは本当なのか?
ポケットからマスターから渡された地図を取り出す。
その時───────
ガサガサ………
『っ?!』
────魔族か?
『…やぁ!君もお散歩かい?』
草むらからひとりの少年が出てきた。
『おい、ガキこんな所で何してる?』
少年を睨みつけ、警戒する。
『だから言ったでは無いですか。お散歩ですよ?』
にこりと少年はほほ笑む。
『…ここは立ち入り禁止の筈だぞ?』
『そうだったのですか。初めて来てよく分からなくて…
というか、それを言うなら君もではないですか?』
『…………………俺はいいんだよ』
この少年は何故か不思議な雰囲気をしている。
何故かとても落ち着くような………温かい。
『あ!紹介がまだでしたね。私はアーロン・ブレイカー旅人です。』
『…エルヴィス』
──こんな小さな子供が旅人?
『よろしくお願いしますね。エルヴィス?』
アーロンが手を差し伸べる。
『……………………おぅ。』