アン、工房を立ち上げる
また短くてすみません。
さて、私は4歳になった。5歳まで教育を待つはずであったが、伯母がどうしてもというので、前倒しになった。
そこで、私は様々なスキルや魔法が存在することをしった。残念だったのは私はあまり魔法の才能がなかったことだった。これで、戦士、騎士、魔法使い、僧侶の道が絶たれたようだ。うーん、魔王を退治したかった。うそだけど。
しかし思わぬスキルがあることも分かった。それは、魔法書士であった。これは書士は、男性がほとんどということを考えると大変レアなスキルであるらしい。まあ自分は元男性なので、意外でもなんでもないのだが。
しかも私の書士レベルは取り立てて高く文官としては、非常に望ましいことであるらしい。伯母は大臣である父の後を継いで、公爵家で仕事をする良い言い訳ができたとホクホク顏であった。
魔法書士は、主に、魔法を使った契約、秘密文書の作成、議事録の保管などに優れており、地方の文官を目指すのれあれば誰でもBランク程度は必要であり、国で働くとなれば、更に上を目指すことが必要である。私のレベルといえば、一番上のLの下、SSであった。しかも、これより高くなる可能性は十分あるので、もしかしたら、この国最高位を目指すことも可能らしい。
私を魔法書女と揶揄する人も多いらしいが、半分は妬み、やっかみであると伯母は言っていた。なんだか魔法少女のパチもののような気がして、嫌な気分なのは内緒だ。
普通は書士だけで食べていけるらしいのだが、私としては、書士は、保険として、別のスキルも身につけたいというのが本音だ。
最近では、私が作ったメッセージカード、ギフトカードが好調であるらしい。この国では全てを自分で書かなくてはいけないので、負担が大きかったのだが、定型文とイラストが入ったカードを製作したところ非常に好評であった。
好評すぎたがために、教育の前倒しとなったのだが、それはまあ、仕方のない副産物であったようだ。
「将来の展望がそろそろ見えてきましたか。アン。」
伯母さま4歳で展望を持つ子などなかなかいません。というよりも展望の意味すら知らないでしょう。普通の4歳は。そうつっこみたかったのは内緒だ。
「そうですね。私は工芸の道があっているかと思います。」
この国には単純なハープはあったが、簡単なギターのような楽器を作ったところ、それが大ヒットで、現在は生産が追いつかないほどだ。そこで私は、工房を立ち上げることにしたのだ。工房アン・デル・ソール・エスタ・アンバー、略して、アデソエアの誕生である。
なかなか進みません。申し訳ありません。お読みいただき、ただただ感謝、感謝です。