着られるブランケット
これも短くて申し訳ありません。
冬になり、私は風邪をひいてしまった。この体、どうもそれほど丈夫ではないらしい。こちらの家は広すぎて、暖炉があってもなかなか暖まらない。そこで、私は、ちょっと前世を思い出し、着られる毛布を作ってみた。するとこれが大好評で、これもこの公爵家で扱う品となった。
ところで、やっと私は苗字を使うことを許されたようだ。この世界では、苗字を使うことが許されるのは、何か大きなことを成し遂げた時なのだが、私にはその自覚がなかったので、驚いた。すると、どうも王妃様が私の作ったイヤリングを気に入ってくださったというのと、この毛布の服が王様のお気に入りとなったからであった。
伯母様は、最初は私が作ったことを伏せていたが、誰も作ることができないので、詮索された末、将来公爵家を継がせるなら今から名前を売っておいた方がよいという判断になったそうだ。そのため、私を狙いに来たスパイがすでに5人も1月に入って捕まっているようだ。
それにしても、3歳で正しい苗字を名乗ることができるのは珍しいらしく、大抵は、公爵家のアンとか呼ばれるのだが、正式にアン・デル・アンバーと名乗ることを許された。まあ本当の名前はもっと長いのだが、日本人だった私には、これでも十分長い。
時々例の王子様たちは私に会いに来られるが、大抵はジェームズ様とお話しして終わりだ。長男の方は、私の乳母やメイド達に抱きつきに来ているようだ。やれやれである。
「驚いたな。」
「なにがでつ?」
「その服だよ。それ、君が作ったのかい。」
「そうでち。」
毛布の服が大活躍だ。
「いや、実はお父様がこの服をたいそう気に入られてね。それを君が作ったって知って驚いたよ。」
「ぐうぜんでち。風邪をひいて寒かったからこれを思いついたでち」
まあ、本当は完成品をみたことがあったからだけど。
「それで、お父様は君が気に入って、君が血迷って公爵家を継がないように私たちに会いに来させているのさ。」
「そんな秘密はなちてもよかったのでつか?」
「いいさ。それにしても不思議だな。」
「なにがでつ?」
「君は、なんだか女の子じゃないみたいで話やすいよ。ああ、本当に君が男の子だったらよかったのに。」
うーん、気が合うな。私もいつもそう思っているというか願っている。いや、男になって、あんたと添い遂げたいと思っているわけじゃなくて、このハーレムを男として堪能したいということだけど。
「おい、ジェームズ、帰るぞ。そこの赤ん坊も、またな!」
「はいお兄様。じゃ、また。」
相変わらずこの兄弟の女好きと男スキーには困ったものだ。それにしても、このヘンリー、私のハーレムを堪能できるなんて、うらやましいやつだ。
これからもよろしくお願いいたします。