公爵夫人が世界を見すれば
短くてすみません
「こうちゃく夫人様」
「私のことは伯母さまで結構」
この伯母様、ここのところ毎日、こちらになんだかんだ理由をつけて赴いている。今日は、折り紙の作り方を説明しろというので、やってみせたが、なかなかできなくていらいらしているようだ。几帳面な性格なので、どうしてもきちんと全てが合わないと先にすすめないようだ。
「でつから、そこは適当でいんでち」
「ちょっと、待って。もっと綺麗に折りたいの」
もう何度立ち止まっただろうか。すると、伯母様はふっと微笑んでおっしゃった。
「よくわかりました。これは。他のものに覚えさえた方が効率がいいようです。」
知っていた。でもこの人は何でも自分でやらないと気がすまないタイプの人のようだった。
「まあ、これはいわゆる高級な贈答品なので大量生産できなくても構わないのですがね。でもいつまでも貴方だけにこれを任せるというのも変ですし。」
「まだ、3歳なので結構暇がありまつ。でつからお構いなく。」
それにしてもどうして毎日来るのか不思議で見ていると。
「どうして、毎日来るか疑問に思っていますね。アン。実はわたしは疑っているのです」
「ふぇっ?」
おお、変な声がでた。もしかして、私が転生者でないかと疑っているのか?
「あなたが天使か悪魔のギフトをもっているのではないかと。」
はぁ……..よかったって、天使?悪魔?
「あのう、てんちもあくまもいないでち。」
「まだ小さいから教育を受けていないだろうけど、いるのよ。天使様も悪魔もね。ただ、あまりにも私たちに近い姿の偽装なのですぐにはわからないだけ。」
はあ。そんなもんですか。って、天使と悪魔が実在する世界??
「最初は天使様か悪魔が化けているかと思ったがそうではなさそうですし。」
どうやら私のしらない方法ですでにテストしていたようだ。よかった。
この公爵家にも昔は天使か悪魔のギフトを持って生まれてきた人がいたそうで、実はこの伯母も天使のギフトを持って生まれてきたそうだ。だから、3歳の子がこんなに話したりしてもあまりみんな驚かなかったのか。
「いずれにせよ、5歳になったら、家庭教師をつけてこの公爵家を継げるだけの教育は身につけてもらいます。同時に…….」
どうもまだ王家とは縁がきれておらず、とりあえず王妃候補ということで、話は進んでいるようだ。ただ、伯母としては、どうも公爵家を継ぐ方を一番に考えたいらしい。
「どちらにせよ、あなたには、いろいろこの公爵家のために働いてもらいます。私が小さい時にそうであったようにね。」
微笑んでいるのだろうが、恐ろしい笑みだ。やれやれ。
ゆっくりですが、前に進めたいと思っております。あたたかくお見守りください。