女の園
もしハーレムを作りたいと思っている人がいたら、そのハーレムを維持する費用がどれぐらいかかるか計算してみるとうんざりするかもしれません。
結論だけ言ってしまうと、前の世界で必死に願っていたハーレムを2歳で達成してしまいました。綺麗な乳母さん、遊び相手のお姉さんや同世代の赤ちゃん達!みんな自分のためだけに集まってきてくれています。
前世の自分だったら、これだけで昇天してそのままあの世にいけそうです。でも。俺、女なんだよなぁ〜。ふぅーと憂鬱になり息を吐く。
「あららら?アン様、おねむですか。おねむですか。」
すぐに乳母が飛んできてくれる。もう一度言おう、もしこれが前世だったら!!!
多分、あの神様は相当なサドです。こんなモテモテハーレム、これが前世であったのなら。まあ、仕方ない。諦めましょう!この世界では次の世界のためではなく、とりあえず自分が楽しいと思うことをして頑張ってみましょう!
そして、私は2歳半になりました。いつまでも女性なのに、俺もないだろうと思って意識的に変えているところがあります。
「アン様、今日はいいことがありまちゅよ!」
「あにがあんの?」
子供なのでまだきちんと発音できないのが多少残念。
「今日は、アン様のいいなじゅけがきますよ〜。あ、いいなじゅけというのは、アンさまの王子様のことですよ〜、結婚される相手のことでちゅよ〜。」
マジですか。今まで男は大臣だというお父様にすらあったことがなかったのに。
「どんな子なの?」
「ええーと。なかなか、かっこういい子ですよ。」
あ、これ、嘘だな。目が泳いでるし。
「あ、それから第2王子様もついていらっしゃるそうです。」
いきなり2人も男の人と会うのか。懐かしいな。こんなに女の人ばかりっていうのは生まれて初めてなので、男性との友情がなつかしくなってきたところだったんだ。
「おい、こいつが、余の許嫁というやつか。オシメくさいな。」
いきなり、なんてこと言うんだ、失礼な。オシメはもうしていません!
「はじめましれ。おーじさま。」
「お、こいつ話すぞ。まだ赤ちゃんのくせに!まあ、いいおい、ジェームス!」
「はい、お兄様。」
「お前こいつの相手をしろ」
「はい。でもこの方は、お兄様の許嫁で・・・」
「こんなガキと遊べるか」
そして、このヘンリーとかいう王子は鼻の下を伸ばして、乳母達に抱きついていた。そして、どうも胸に顔を埋めてうっとりとしている。あ、こいつ駄目なやつだ。どうりで、乳母から微妙な反応が返ってきたはずだ。
「ごめんね。えーと。僕はジェームス。ちょっとお話でもしようか、それともご本、読んであげようか。」
おお、機関車みたいな名前だと思ったら、結構いいやつだ。しかも随分知的だ。
帰る直前に、ジェームスは顔を赤らめて私に衝撃的な告白をした。
「僕は、男の人しか愛せないと思っていたけど、アン様はちょっと平気だな。女っぽくないからかな。」
王家は、第1王子が女好きで、第2王子が男スキーでした。ボスケテ!
お読みいただきありがとうございました。これからもよろしくおねがいいたします。