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日曜日・始まり 3
一人の青年が画面を見て固まっている。
青年の見ているそれは友梨たちと同じ型のスマートフォンだった。
「あいつの名前が…何で……あるんだよ……。」
憎しみや怒りが混じる青年は苦々しく呟いた。
青年は戦慄きながら携帯に書かれている名前を睨んだ。
「何で…。」
青年は自室のごみ箱にそれを捨てようとするが、その手を止める。
彼の頭の中でそれを捨ててはいけない、と何かが告げているような気がした。
青年はしばらく戸惑っていたが、すぐに諦め溜息を吐いた。
「訳が分からねぇ。」
前髪を掻き上げ、青年は苛立っていたが、結局それが解決される事はなかった。