ゲーム開始の時間
ゲームが始まった。 「はい、では、皆さん。 殺したい人を選択してください」 5人は、それぞれの顔を見回した。 選べる訳がない。 俺は、そう思った。 まず、殺す理由が無い。 すると4人が、俺の方を一斉に見てきた。 「おい、お前、こんなバカげたことは、 もう止めてさっさとここから解放しろっ」 兄が代表して叫んだ。 チッ、こいつら、まだ俺を疑ってやがる。 「だから、俺じゃないってッ」 俺は、必死に叫んだ。 「じゃあ、証拠を見せろ。証拠をッ」 続けて、幼馴染が叫んだ。 証拠って・・・・・。 俺が何をしたってんだ。畜生ッ。 「証拠なんてねぇよ。だからさっきから叫んでるんだろッ」 「証拠もないのにほざいてんじゃねぇよ」 友達も参戦。 人は、なんて酷いんだッ。 1人の人間を痛み付けてそんなに楽しいかッ? 「分かった。お前が認めないならこちらにも考えがある」 兄が言った。 静かな言い方だが、物凄い『何か』が感じられた。 「お前を選択する」 それは、殺気だった・・・・・。