最終ゲームの時間
オレは、生き残った。 死んだ弟の彼女と共に。 そして始まる新たな殺人ゲーム。 「最後の二人になりました。」 あの機械の女性の声だ。 「ここでルールの変更を行います。」 マジで? オレは、心の中で呟いた。 機械の女性は続けた。 「では、新ルールを説明します。 ここからは、選択するゲームは、止めます。 生き残った二人に、 UFOの操作権を二人に与えます。 どちらかが先行にUFOを操作します。 そして、後攻の人をあの穴に入れる為に、 UFOを操作してください。 そこで、後攻の人をあの穴に入れたら先行の人が このゲームの勝者となり、ゲーム終了です。 しかし、もし、あの穴に入れる事が出来なかったら、 後攻の人が、UFOを操作します。 それでも、終わらなかったら、同じ事が続きます。 では、最終ゲームスタートッ!」 オレは、不気味に微笑んだ。 オレは、ずっと、このUFOを操作してきた。 もうこの操作には、慣れた。 だから、 「譲ってやるよ」 オレは、死んだ弟の彼女に言った。 「先行を」 オレは、余裕だからな。 死んだ弟の彼女は、こちらを見ると微笑んだ。 「ありがとう」 ふんッ、UFOを操作する力は、 オレの方が上だから、余裕だ。 「じゃあ、操作するね」 余裕だ。 死んだ弟の彼女のUFOを操作する声が聞こえる。 余裕、余裕。 オレは、鼻歌を歌いながら、 自分に操作権が回ってくるのを待った。 「ん?」 その時、尻に違和感を感じた。 「何だ?」 アームが尻と椅子の間に入っていた。 「マジで」 そして、オレの体が持ち上がり、 UFOに穴の上まで持っていかれる。 アームが開かれ、俺は落ちた。 真っ暗な、あの世行きの穴へ。




