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闇への時間

 畜生ッ。                                            何だってんだ。                                         オれは、心の中で叫んだ。                                    幼馴染のオれが何故、そいう嘘を付かなければいけないんだ?                    「クソッ」                                          幼馴染のあいつの兄が嘘を付きやがった。                             「クソッ。ぶっ殺してやる」                                  そうは言ったものの、立場は逆転した。                              「クソッ。最悪だ」                                      オれは、悪態を付いた。                                     「ふざけんなカスッ」                                     「操作してやるぜ」                                      死んだ幼馴染の兄が言った。                                   クソッ、クソッ、ふざけんなッ。                                 生き残るのは、このオれなのに。                                 「生き残るのは、この俺だッ」                                 オれは、叫んだ。                                        死ぬなんて嫌だ。そんなの御免だッ。                               何か。何かないか?                                       オれは、必死に思案を巡らした。                                 死ぬなんて嫌だ。                                        ふざけるなッ。                                         冷静になれッ。                                         冷静になれッ、オれッ。                                     死んだ幼馴染の兄がUFOを操作している。                            その声は、オれの耳には、入っていなかった。                           ただ、生き残る為に考えた。                                   何か、ないか?                                         UFOがオれの頭上まで来た。                                  死にたくない死にたくないっ、死んで堪るかっ。                          こんなところでッ。                                       「下ろす。」                                          死んだ馴染の兄が言った。                                   あぁ、UFOが下りてくる。下りてくるッ。                            考えろッ。何かあるはずだッ。                                  生き残る為の方法がッ。                                     頭の上でUFOが止まった。                                   あぁ、死ぬ、死ぬッ。                                      UFOのアームが開いた。                                    どうしよう。どうしようッ。                                   UFOが又もや下りてきた。                                   そして、アームを閉じた。                                    アームは、死んだ幼馴染と同じくお尻と椅子の間に入った。                     「あぁ、嫌だ。死ぬ。嫌だッ」                                 オれは、足をばたつかせた。                                   まるで子供が駄々を捏ねる様に。                                 しかし、そんなのは、何の意味も無かった。                            UFOは、オれを連れて穴に向かって動いた。                           真っ暗な、底が見えない穴に。                                  穴の上まで来た。                                        そして、アームを再び開いた。                                  オれの体は、どんどん落ちていく。                                穴に向かって。                                         「うああああああぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ」                         オれは叫んだ。                                          血を吐くような、叫びだった。                                   真っ暗な穴に吸い込まれながら・・・・・。                                                                                                                                                                                      

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